2007年10月10日
三井・デュポン、EVAの輸出価格を再引き上げ
11月の中国向け、トン2,100ドルを目指す
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井・デュポン・ポリケミカル

 オレフィン系高機能樹脂メーカーの三井・デュポンポリケミカルは、EVA(エチレン酢ビコポリマー)の11月の中国向け輸出価格をトン当たり100ドル引き上げることにして大口需要家各社と交渉を開始した。

 同社による同樹脂の10月の中国向け輸出価格は、CFRベースでトン当たり2,000ドル平均となっている。8〜9月の価格を100ドル上回るレベルにある。7月に比べると200ドルの値上げが実現できていることになる。相次ぐ原燃料価格の高騰分を需要の拡大を支えに順調に製品価格に転嫁してきている。

 11月分をさらに100ドル引き上げることにしたのは、エチレンの高どまりに加えて副原料費や燃料費の上昇が止まらずコスト全体が引き続き膨張しているため。

 現在の中国は、EVAについても世界最大の消費国であり、最近の月間輸入量は36,000トン前後に達している。8月の輸入通関数量は35,864トンで、前年同月の実績を22.6%上回っている。特に伸びが大きいのは酢ビのコンテントが比較的低い発泡用品種で、10月のCFR価格の平均は1,950ドルとなっている。

 三井・デュポンポリケミカルが得意としているのは酢ビコンテントが高く機能性に富む接着剤向け品種だが、これも需要が好調で、しかも世界的に供給余力が乏しいので需給が逼迫している。このため今後の交渉も同社主導ペースで進展していくものと見られる。