2007年10月29日
日本ユニカー、C6L-Lの生産を打ち切りへ
コモノマーの高騰で採算を確保できず
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:日本ユニカー

 日本ユニカーは今年末限りでC6コモノマー(ヘキセン1)によるL-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の生産を打ち切ることになった。海外から輸入しているヘキセン1の価格高騰によって採算を維持していくのが困難となったためと説明している。

 年末までに生産した製品の販売は、他のポリエチレンとともに来年1月1日から営業権を引き継ぐダウケミカル日本のNUC製品営業本部の手に委ねられる。
 
 日本ユニカーは、東燃化学とユニオン・カーバイド(ダウ・ケミカル100%子会社)の折半出資会社。ダウ・ケミカル日本は、来年3月末までの国内需要は在庫品で賄い、不足が生じた場合は海外のダウグループから手当てしていくことになる模様。

 これにより日本ユニカーは、今後L-LDPEの生産をC4(ブテン1)コノマー品種に絞っていくことになる。

 わが国L-LDPEメーカーの間では、これまで、付加価値の高いC6コモノマーに品種をシフトした事業戦略を展開する傾向にあった。だが、副原料のヘキセン1の供給メーカーが国内には2社しかなく、また海外のヘキセン1の最大手メーカーが操業トラブルで長期運休を余儀なくされたこともあって、ヘキセン1の国際需給バランスは極端に逼迫。それに伴い価格が急騰したため同樹脂各社は採算を大きく圧迫されている。
 
 こうした中での日本ユニカーのC6L-Lの生産打ち切りが今後国内のL-LDPE全体の需給バランスにどのような影響を及ぼしていくか注目される。