2007年10月29日
中国の主要化成品輸入、9月も活発
BZ誘導品が大幅な伸び、VCMは縮小が続く
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 中国による主要化成品の9月の輸入通関数量は、引き続き多くの品目が前年同月を上回った。合計9品目のうち6品目が前年同月超えとなっている。
 
 その中では、PH(フェノール)の96.2%増、SM(スチレンモノマー)の58.2%増、BPA(ビスフェノール-A)の51.1%増が特に目を引く。いずれもBZ(ベンゼン)の主力誘導品である点が注目される。TPAも20.9%増と盛り返しており、また同じポリエルテル繊維原料であるEGも小幅ながら依然として前年同月超えを維持している。酢酸ビニルの場合は、国産プラントの稼動入りで伸びが鈍化したもののそれでもなお18.4%増となっている。
 
 一方、前年同月を割り込んだ3品目はいずれも縮小幅が大きい。酢酸は54%、ANは27.6%、VCMは22.2%それぞれ前年同月を下回っている。うちANは、7月の同2.21倍と8月の同54.7%増の反動が出た。VCMの減少は、国際品の増産の影響によるものと見られている。酢酸の大幅減は、マレーシアを除く輸出各国が採算割れの対中輸出を思い切って縮小したことによる。
 
 この結果、1月から9月までの累計は、合計9品目のうちVCMと酢酸を除く7品目が前年同期を上回るかたちとなった。今年も引き続き中国の輸入は化成品も活発に推移しているといえる。前年同期を上回った7品目はTPAの1.8%増を除いていずれも伸び率が高い。PHの63.3%増とANの42.7%増が特に目立つ。逆に前年を下回っている2品目は、VCMが12.4%減、酢酸が17.0%減とともに縮小率が大きい。
 
 中国による主要化成品の9月の輸通関数量は以下の通り。右は1〜9月計。かっこ内は前月比。 
 ▽EG =410,075トン(105.6%) 3,741,594トン (120.1%)
 ▽SM =331,171トン (158.2%) 2,276,285トン (125.2%)
 ▽VCM= 68,725トン( 77.8%) 684,274トン( 87.6%)
 ▽AN = 26,728トン( 72.4%) 342,711トン(142.7%)
 ▽TPA=664,073トン (120.9%) 5,502,011トン (101.8%)
 ▽PH = 50,561トン (196.2%) 330,659トン (163.3%)
 ▽BPA= 48,882トン (151.1%) 328,692トン (120.0%)
 ▽酢酸=30,479トン ( 46.0%) 438,023トン( 83.0%)
 ▽酢ビ=23,801トン (118.4%) 205,165トン (131.1%)