2007年11月02日
プラ容器包装の9月の回収、前年の微増に
リサイクル量は9ヵ月振りの前年割れ
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 国の指定法人である(財)日本容器包装リサイクル協会が9月中に全国の市町村から容器包装リサイクル法に沿って引取ったプラスチック製容器包装の総数量は44,473トンで、前年同月の実績を0.5%上回った。極めて小幅の増加ながらもこれで6ヵ月連続の前年同月超えとなった。これに伴う今年度の累計(4月から9月までの合計)は287,297トンとなった。前年同期を4.3%上回っている。
 
 うち、白色の発泡スチロール製食品用トレーを除く「その他プラスチック製容器包装」の9月の引取り数量は44,411トンで同0.5%増、4月からの累計は286,878トンで同4.4%増「となっている。
 
 一方、同協会がリサイクル事業者に委託して9月中に再商品化した数量は28,708トンで同4.7%減、うち「その他プラ製容器包装」の再商品化量は28,642トンで同じく4.7%減となっている。ともに9ヵ月振りの前年同月割れである。
 4月からの累計は、全体が175,395トンで前年同期比2.4%増。うち「その他プラ製容器包装」が175,019トンで同2.4%増となっている。
 
 注目されるのは、「その他プラ製容器包装」の手法別再商品化実績の中で擬木やパレットに再生する「プラスチック製品化」が引き続き大幅な伸びを遂げ、他の手法による再商品化が一段と縮小している点だ。
 9月のプラ製品化は12,112トンで前年同月を10.4%上回り、これに続いて規模の大きいコークス炉化学原料化は10,914トンで前年同月を逆に13.8%下回っている。合成ガス化は2,841トンで14.6%減、高炉還元剤利用は2,455トンで同11.1%減、熱分解油は320トンで3.9%減である。もともと最大の構成比を占めていたプラ製品化がさらに勢力を拡大しているわけで、9月の構成比は42.3%に達している。前年同月を5.8ポイント上回っている。
 4月からの累計でもプラ製品化は前年同期を13.4%上回って71,082トンに達している。全体に占める構成比は40.6%で、前年同期を3.9ポイント上回っている。
 
 この要因について、容器包装リサイクル法に詳しい関係者の中には、年度始めの入札でプラ製品化が優先される仕組みになっている点を挙げる向きが多い。問題は、プラ製品化の場合、異物が混入したりあるいは汚れが付着していたりする回収品はリサイクルされず焼却されることになるので回収量と再生量との間にかなりの開きが生じかねないことだ。このため、
リサイクル量の拡大にはケミカルリサイクル手法の活用にもっと国が積極的に取り組むべきと指摘する声が多い。