2007年11月19日
西安ハイテク産業開発区が日系企業誘致へ 
中国の科学技術センターを目指す
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 中国陝西省の首都・西安市は市の南側にある西安ハイテク産業開発区(約8,000社、98平方キロ、うち35平方キロが開発済み))の発展を目指し、日系企業の誘致に乗り出した。同開発区は91年3月に国家レベルとして認められ、01年2月に中国第10次5カ年計画で国家モデルハイテク開発区のひとつに選ばれた。

 06年11月には商務部からハイテク製品輸出イノベーション基地に指定された。また06年12月に中国の最も投資価値のあるコンテンツ産業基地トップ10に入選した。北京、上海、深せん、武漢とともに世界1流のハイテクパークとして発展が期待されている。

 また中国に53カ所あるハイテク産業開発区で総合指標が第5位。これまでに中国初のSP30スーパープログラム制御交換台、薄型圧電陶磁トランス、デジタル放送スタジオ、エコ洗剤用品などを開発している。

 国内外からの企業誘致を図り、電子情報、自動車製造、設備製造、計測機器、バイオメデシン、新型材料や航空科学技術、研究開発などの充実に力を入れている。2010年までに開発区は販売高3,200億元、工業総生産2,000億元、財政収入100億元を達成する計画。

 電子情報では800社を数える。集積回路(毎年2,000人の大学生が卒業)、ソフトウエア同3,000人)、通信設備製造(同5,000人)、バイオメデシン(同1,200人)、機械産業(同1万5,000人)などが活況を見せている。

 日系企業では東芝、NEC、ダイキン、富士通、古河電工、三菱電機、ブラザー、ルネサスなど40社余が進出している。米、独、シンガポール、香港、台湾など29カ国、813社に及ぶ。

 市には市レベル以上の科学研究機構が672か所、国立大が44校(大学院43か所)私立大36か所あり、80万人の在校生を抱えている。市は総合科学技術力が中国都市で第3位と高い。

 大学は西安交通大、西北工業大、西安電子科技大、西北大、西安外国語大、西安理工大、長安大、西安科技大、長安大など。開発区での就業人員は36万人でこのうち53%は短大以上の学歴を持つ。

 西安市は総面積1万108平方キロ(市街化面積275平方キロ)、人口823万人。06年のGDPは1,452億元、一人当たりGDPは2,241ドル(01年の2倍)。

 西安は地理的に中国の中心部に位置し、半径1,000キロ以内に北京、天津,太原、石家荘、鄭州、武漢、重慶、成都、蘭州、合肥などがあり、人口7億人に及ぶ。また、唐代の楊貴妃、兵馬俑、日本の僧侶・弘法大師、阿部仲麻呂の修業などで知られる。