2007年11月26日
蘇州工業園区が国際化に向け新産業を誘致へ
製造業、科学技術、サービス業をレベルアップ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:ダイキン工業、日立製作所、富士写真フィルム、富士通、松下電器産業、日鉱金属

 中国江蘇省の蘇州市はシンガポール政府系財団と94年5月に設立した「中国・シンガポール蘇州工業園区開発有限公司」(略称・蘇州工業園区)が、新しい発展の段階を迎えたとして日系企業に参加を呼び掛けている。

 同工業園区はこれまでの経済開発区から国家級イノベーションモデル地区に躍進する方針。このため先進的な製造業と近代サービス業の発展を重要なポイントとし、科学や教育を優先させる考えである。

 同工業園区は旧市街の東側にある「金鶏湖」畔にあり、総面積80平方キロ(行政管轄エリア288平方キロ)。野村総合研究所は「アジアでもっとも国際的な競争力を持つ工業パークである」と評価。中国社会科学院も「開発区総合魅力の第1位」にランクした。

 スタートして13年間、年平均30%の経済成長を続け、輸出入総額(500億元、うち輸出250億元)やIT売上で全国の各3%、ICで16%を占めている。工業生産額は300億元、人口40万人。
園区には3000社(世界有力企業500社のうち112社が投資)ほどの外資が進出、契約ベースで308億ドル、実際利用ベースで133億ドルを投資している。日系は311社で日立、松下、日鉱金属、ダイキン、富士通、YKK、富士フイルム、HOYAなど。中小企業も多い。

 目下、製造業のレベルアップ、ハイテク産業のプロジェクト強化が求められている。電子情報、オプトエレクトロをはじめ、精密機械、バイオ製薬、自動車部品などだ。液晶パネル、ICのアセンブリ、チップウエア、大型バスは中国の大型基地となっている。

 今後は国家電子情報産業基地、国家集積回路産業園、国家ナノテク国際イノベーションパーク、国家トーチプログラム自動車部品産業基地など8つの国家級科学技術西華産業化基地を建設する計画があり、日本の協力を得たいという。

 研究開発ではソフトウエアと動画アニメーションを対象にしている。科学技術パーク、イノベーションインダストリーなどパークをつくり、プラットフォームを構築する。豊かな文化遺産をもとに文化イノベーション産業も発展させる。

 海運、陸運、空運を一括するバーチャルポートを建設、近代的な商業・貿易物流運営センターのパイロットエリアにする計画もある。これには関税物流センター、輸出加工区を含めている。

 同園区は国家級経済技術開発区、高新(ハイテク)区、保税区、輸出加工区など各類政策機能の特殊地域で省クラスの外事管理権限を有している。
 問い合わせは国際貿易促進協会(TEL:03−6740−8261)