2007年12月14日
上海に近い浙江省・湖州経済開発区が日系企業誘致へ
自由度高くインフラ完備、治安よく、低い投資コスト
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 浙江省湖州市の湖州経済開発区(太湖の南側)は13日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで日系企業を湖州経済開発区に誘致するための投資説明会を開いた。呉水霖・市常務副主任、朱鎖芳・同経済開発区副主任らが出席した。

 同開発区は水路から陸路への切り換えに時間がかかり、蘇州、杭州などに比べ経済開発が遅れていた。ここ数年、鉄道、高速道路やインフラなどの整備が完了したため、積極的な外資企業の導入に着手したもの。

 朱副主任は「湖州は、上海—嘉興—湖州、上海—呉江—湖州—合肥間の高速道路を使えば上海から車で1.5—2時間。杭州、寧波、蘇州、無錫は100キロ以内の距離。南京にも1時間で行ける。長江デルタの中でも投資コストが安く、治安のよい地域だ」とメリットを強調する。

 同経済開発区は92年8月に認可された全国9大重点省級開発区の一つ。行政管轄面積150平方キロ、計画面積60平方キロ、開発済み面積30平方キロとこれから発展の余地を残している。

 情報、生態、ヒューマニティなどに配慮した環境づくりに取り組み、また、鳳凰分区、西南分区、西塞分区,康山分区、輸出加工区(申請中)の5つに分けている。上下水道、電力、水蒸気・ガス供給、通信、道路、インターネット網、土地整備が完了。

 開発区内にはレンタル工場が計25万平方メートルの規模で完成している。標準工場のレンタル料は月1平方メートル当たり9—12元。広さについては自由度が高い。自社工場は鉄鋼構造で1平方メートル550—600元、鉄筋コンクリートで650−750元。

 土地代(50年)は252元。また、最低賃金(法定)は月750元。一般従業員800−900元、一般技術者・管理職1,000—1,500元、高級技術者・管理職2,000−2,500元、福利厚生費は労賃の約21%など。

 過去10年を経て同開発区にはIT、自動車部品、バイオ医薬、新型素材などの産業が発展した。進出企業はこの10月までに1,403社、投資額は64億ドルに達している。うち外資企業は371社(日系は19社)。

 日系は松下電子工業と現地資本の合弁会社、松尾橋梁、ケンミン食品、シグマックス(衣料、ヘルスケア)など。湖州市全体ではアサヒビール、ASTI電子、丸高アパレル、伊藤建設、高田エアバック、日本化薬、ブルボン食品などが進出している。外資は2,700社。

 市は文化、教育を重んじており、大学・大学院が4校、技術高等学校が26校、成人訓練校が15校ある。さらに市周辺都市にある浙江大、復旦大、同済大、上海交通大、南京大などからの人材を採用できる。日本に派遣した研修生が1,000人を超えているという。

 市のGDPは100億ドル(対前年比13.9%増)、1人当たりでは3,936ドルと高い。古来、シルクの府、お茶の郷、筆の里、文化の邦と称されている。

 問い合わせは同開発区大阪駐在事務所(Tel:06−4790−0033)