2008年01月09日
PETボトルの回収量が再び減少
昨年11月は前年同月を3.7%下回る
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 日本容器包装リサイクル協会が昨年11月中に全国の市町村から容器包装リサイクル法に沿って引き取った使用済みPETボトルの月間総数量は、前年同月の実績を3.7%下回って10,547トンとなった。
 
 10月の引取り量は13,728トンで前年同月を5.1%上回ったが、11月はその10月を23.2%も下回った。PETボトルの回収の前年同月割れは、9月に続いてこれが今年度に入って2度目。
 これには、多数の市町村が一般家庭から分別収集した同ボトルの多くを国際トレーダに引き続き積極的に売却する行動を取ったことが大きく影響していると見られる。財務省の11月の輸出通関統計によると、同月のPETくずの総輸出数量は33,698トンで前年同月を35.7%上回っている。同協会の同月の総引き取り量の実に3.2倍の規模に達している。うち94%に相当する31,739トンは香港を含む中国向けで占められている。
 
 こうしたことが響いてか、同協会の委託による同月の同ボトルの再商品化(リサイクル)量も同じく前年同月を下回っている。同月の総リサイクル量は9,306トンで、前年同月比は21.6%もの減少となっている。3ヵ月連続の前年同月割れである。
 手法別の実績の中では、ボトルへの再生が前年同月比3.0%の87トンに激減している点が注目される。04年から05年にかけて3,000トン超えとなる月が何度か見られたのが信じられないほどの縮小振りである。これは、量産体制を整えていた大手リサイクル企業が回収品を確保できなくなり開店休業に追い込まれるに至っていることによるもの。繊維への再生加工は5,194トンで同0.7%増、シートへの再生加工は3,792トンで同6.0%増となっているが、ボトルへの再生の激減をカバーするにはほど遠い。この状態が続くと容器包装リサイクル法の基盤に亀裂が生じることになる。