2008年01月15日
江蘇省蘇州に「国家級ナノテク国際革新パーク」建設
科学技術省、商務省、江蘇省政府が支援、中国最大
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 中国江蘇省は蘇州工業園区に「国家級ナノテク国際革新パーク」の建設を進めている。ナノテクは原子、分子を操作して物質を作り出す科学技術。情報工学、バイオ医薬品に続いて世界で最も影響力のある研究分野のひとつ。

 その用途は医薬品、家電、コンピュータ、環境保護、繊維産業、機械産業など幅広い。蘇州には昨年、中国科学院ナノテク・ナノバイオニクス研究所が設立され、業務を開始した。総額4,000万元の研究費を獲得している。

 この国家レベルの研究開発機関では、すでに10件余りの特許を取得、20余件の各種研究事業を申請している。ナノテク国際革新パークは同研究所のある蘇州工業園区を拠点として建設されるもので、計画面積は86万3,000平方メートル。

 重点研究分野は素材・部品、ナノバイオ・ナノ医学、ナノバイオニクス、ナノバイオ・セキュリティーなど。主に研究開発、起業、産業促進などを支援する。中国最大のナノテク研究開発、産業化基地を目指す。

 江蘇省では「同パークは5年以内に世界レベルの産業技術革新戦略連合、国際合同重点実験室、国際的工学技術センターをつくる。研究開発人材を300人、国内外の専門人材を3,000人集める。ナノテク中核企業を招き年額100億元以上の産業群を形成する」としている。

 同パークは中国科学院に指導のもとで建設され、済南の情報通信国際革新パーク、天津バイオ医薬国際革新パークに続く、3番目の国家レベル革新パークとなる。

 蘇州工業園区は旧市街の東側にあり、面積80平方キロと広い。野村総合研究所が「アジアでもっとも国際競争力もつ産業基地」、また中国社会科学院が「中国開発区総合魅力の第1位」と評価した。

 日本からは日立、松下、富士通、日鉱金属、ダイキン、YKK、富士フイルム、HOYAなど311社が進出している。