2008年01月24日
三菱レイヨン、米国モディファイヤー民事訴訟が和解
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンは24日、同社と米国子会社のMITSUBISHI RAYON AMERICA INC.が米国で提起されていた、モディファイヤー(プラスチック添加剤)事業に関する米国連邦集団民事訴訟について、原告に対して500万ドル(約5億5000万円)の和解金を支払い、和解することで合意したと発表した。
 
 米国司法当局による刑事調査では、米国独禁法違反の疑いは払拭され、不起訴となっている。このため、今回の和解は違法行為の事実を認めるものではなく、事業活動への影響を考慮し、早期解決を図ることにした。
 
 <経緯>
 2003年2月、米国司法省・FBIは、モディファイヤーの販売に関して、価格カルテル、独禁法違反の容疑で米国子会社に対する刑事調査を行ったが、06年4月不起訴となり終了した。
 
 一方、モディファイヤーの購入者は、価格カルテルにより損害が発生したとして、同社の子会社を含む13社を被告とし、連邦裁判所に損害賠償を求める訴訟を提起。07年4月には三菱レイヨンも被告に追加され係争していた。
 
 同社は、独禁法に違反する事実は存在しないとする主張に変わりはないが、これまでに費やした訴訟費用や労力、時間、事業活動に及ぼす影響などを考慮した結果、早期終結を図ることが最善と判断した。