2001年06月08日
日本ポリケム、チッソ両社がPP事業で新会社
国際競争力確保へ、年産109万1,000トン体制
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:サンアロマー、チッソ、東燃化学、トクヤマ、日本ポリケム、三菱化学

 日本ポリケム、チッソ両社は7日、PP(ポリプロピレン)事業を統合することで基本合意したので細目検討を開始する、と発表した。
 PP事業は原料価格の高騰や海外品の流入、国内空洞化による需要の低迷など厳しい経営環境にあるが、さらに海外では巨大メーカーの誕生、大型プラントの相次ぐ稼動など2004年の関税引き下げを前に国際競争は一段と激化することが予想されている。
 両社はこうした困難な状況を克服するため競争力確保を目指し事業統合することにした。
 統合の具体案は未定だが、チッソはポリプロ事業部門を分離し、日本ポリケムのPP部門と新会社を設立、生産、販売、物流、研究開発などの部門と統合する。
 新会社の社名、資本金などは未定。ただ資本金は日本ポリケムが過半数をもち、社長も同社から派遣される。設立は2002年春以降になるとしている。売上げ規模は約1,500億円。
 日本ポリケムは1994年、三菱化学と東燃化学の両社がポリオレフィン事業を統合するため設立したわが国最大のポリオレフィン会社で、PPは鹿島、四日市、水島、川崎の4工場に計年産71万トンの設備をもっている。一方チッソは千葉に38万1,000トン、両社合わせた能力は109万1,000トンとなる。PP業界ではほかに三井住友ポリオレフィン(合計能力96万5,000トン)が2001年10月から営業開始する。出光石油化学とトクヤマ両社(合計能力57万3,000トン)の提携も決っており、事業グループはサンアロマー(年産31万トン)とともに4グループに集約されることになる。