2008年02月14日
EVAのアジアの価格がさらに上昇
中国向けはトン2,300ドルに
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、市況)
【関連企業・団体】:なし

 アジア地域におけるEVA(エチレン酢ビコポリマー)の価格がここにきて一段と上昇してきた。最大の消費国である中国の樹脂加工企業大手が旧正月休暇明けから3月半ばまでの間に輸入する製品のトン当たりのCFR価格は2,300ドル前後に達しており、1月末の価格に対比すると上げ幅が小さいケースで100ドル、大きいケースでは150ドル高となっている。
 
 中国などアジア地域における同樹脂の相場は、昨年春以降毎月のように上がってきている。昨年春の平均価格は約1,500ドルであったので、この10ヵ月あまりで800ドル前後上がったことになる。需要がスポーツシューズ向けを中心に大きく伸びているのに対して、供給能力がアジア地域全体にこの2年あまりほとんど増えないままきているため需給が完全なタイトバランスとなっていることによる。
 
 このためわが国のEVA大手も最近は輸出に力を入れはじめており、07年の総輸出通関数量は前年を7%上回って98,162トンとなった。総出荷量に占める輸出の構成比は前年より1.5ポイント上がって36.1%に達している。うち64.2%が中国向けで占められており、前年に対する伸び率も18.0%と断トツに高い。
 
 今年も需要はアジア地域全域で2ケタ近い伸びを遂げるというのがEVA大手の見方。対する新・増設は今年も皆無となる見通しにある。このため今後も当分の間は売り手市場が続くと見られる。