2008年02月22日
楊州市がLED、太陽光エネルギー基地  
日系企業を誘致、自動車・部品、港湾物流も
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 南京に隣接する江蘇省の楊州市が20日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで市が新しく建設したLED(発光ダイオード)、太陽光エネルギー、自動車・部品、新材料などの工業基地を説明、日系企業の参加を呼びかけた。

 同説明会には王燕文・楊州市長、楊明栄・市秘書長、季充豊・市経済開発区管理委員会主任らが出席。国際貿易促進協会が協力、中国大使館、三菱東京UFJ銀行、みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行、信金中央金庫が後援した。

 楊州市はLED、太陽光エネルギー産業を新経済成長システムとしてとらえ、とくに高純度シリコン、高輝度のLEDの生産を先頭に「高度な産業を実現し、応用を拡大する」ことを狙っている。太陽光エネルギーと半導体照明産業を協調発展させる考えだ。

 市は1992年に楊州市の西南,長江側に総面積72平方キロの楊州経済開発区を建設した。同区はハイテクブロック、揚子津科学教育観光ブロック、工業パークブロックに分けられている。

 この開発区の北側にまずLED産業パーク、その南側に太陽光エネルギー産業パークを配置、さらに自動車・部品産業パークや輸出加工区、港湾物流パークが存在する。このほか長江沿いに化学工業も展開されている。

 日本からは伊藤忠、NEC、東芝、ダイキン、トヨタ通商、三井化学、丸紅、旭硝子など116社が進出している。農業中心からの経済から、すでに整った産業チェーンが構築されつつあるといえる。

 同市は南に長江、北に淮水(わいが)、東に大運河(万里の長城とともに中国の2大構築物といわれる)が通る。発電容量が320KWもあり、このうち市で80万KWを使い、残りは他の省市に供給しているという電力の優位性がある。

 交通は北京—上海、南京—南通間の高速道路があり、南京まで車で1時間、上海まで2時間半の距離。第2長江大橋や新国際空港の建設も予定されている。また、明、清時代の古城遺跡、楊州建築庭園、伝統工芸などがある。

 「全国社会治安最優秀賞」、「中国居住環境賞」などを受賞している。市には2500年の歴史がある。1500年ほど前、高僧・鑑真が大明寺から奈良の唐招提寺に招かれ、仏教古代文明で日本に貢献して以来、市との交流は続いている。

 市の面積は6,638平方キロ、人口452万人。07年のGDP3,311元、一人当たり約4,000元。外資企業は1,473社が進出した。契約ベースで23億ドル、実行11億4,000万ドルに上っている。
王市長は「これまで台湾、香港のからの企業が多く出ていたが、今後は日本、欧州の企業にも参加を呼びかける。LED,太陽エネルギーの生産、技術レベルで中国トップ、さらに世界一を目指す」と抱負を語った。