2008年03月04日
タイ国は機械・金型に重点、プラスチック成型伸びる
「タイ国投資セミナー」から
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

■ 日本の金型投資 第1位、自動車産業を中心に発展

 タイでは首都バンコクから東南部57キロにあるチョンブリ県にトヨタ、ホンダ、日産自動車、三菱自動車、マツダの日系企業や米フォード、独BMWなどのメーカーが進出したため、これを追うように機械・金型メーカーが増えている。

 タイ投資委員会(BOI)のクリサダ・ウェッウィタヤークラン機械・金型担当上級投資促進オフィサーは「今こそタイ機械・金型産業への投資チャンスである」として、タイ政府の金型産業支援策などを以下のように語った。

 機械産業は07年のボイラー炉・機械や電気機器・部品の輸入が増えている。シェアは日本が26.6%、中国が17.6%、米国が8.8%、マレーシアが8・7%を占めている。

 工業化が進んでいるタイでは、短期的には外国からの産業用機械に依存する形となっている。需要の多い機械は農業用・食品加工用や繊維産業用、自動車産業用や代替エネルギーを使用するかエネルギー節約の設備・機械である。

 BOIの投資奨励を受けた機械・工具プロジェクトでは一般機械・工具が155プロジェクトと最も多く、次いでの農業用機械の9プロジェクトとなっている。

 代替・節約エネ機械は8プロジェクト40万ユニット、50億円。今後はリサイクル事業の機械、金属産業の機械、電気制御システム、大型プラスチック射出機などが求められる。

 金型産業は09年までに5カ所に卓越した金型産業センターをつくる。20の金型関連の教育機関を生かし、7,700人の工員を研修する。主要な先進諸国の金型標準を活用する。

 金型産業集積地としては、キング・モンクット工科大トンブリ校(板金・バルクメタル成形)、同大北バンコク校(プラスチック成形)、カセサート大(ゴム成形)、チュラロンコン大(工具とダイの表面改質),ラジャマングラ工科大スワンナブーン校(スタンピング・ダイ)、タイ鉄鋼協会(金型資材)、国立金属・資材技術センター(ダイ・キャステング)がある。

 現在、タイで求められている金型としては、ダイキャステング用モールド、プラスチック射出成型用モールド、トランスファプレスダイなど。金型部品ではスタンピングダイ部品・打ち抜きダイ部品、射出成型用モールド部品、ダイキャステングモールド部品。

 日本は、タイにとって最大の金型輸出国かつ輸入国である。07年の輸出では日本が1,596トン(65億円)、米国が1,422トン(27億円)の計9,158トン(187億円)、比率で日本35%、米国14.6%、中国9.7%、インドネシア6.2%、べトナム5.3%。

 輸入は日本11,074トン(345億円、51%)、中国5,760トン(79億円、11.8%。計31,291トン。韓国10.2%、台湾9.4%、シンガポール4.1%となっている。今後も日本との関係を大事にしていきたい。