2008年03月05日
三菱化学の「低環境負荷THF開環重合プロセス」第7回GSC賞受賞
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三菱化学、三菱化学エンジニアリング、三菱化学科学技術研究センター

 三菱化学は5日、グループ会社である三菱化学科学技術研究センター、三菱化学エンジニアリングとともに、「固体酸触媒を用いた低環境負荷THF開環重合プロセスの開発」技術がグリーン・サステイナブルケミストリー(GSC)ネットワークから、第7回GSC賞・経済産業大臣賞を受賞することが決ったと発表した。

 対象となった同技術は、伸縮性の良い繊維の原料として近年需要が急増しているポリエーテル化合物(PTMG)を製造するにあたり、従来用いていた強い酸の触媒(フルオロ硫酸)の代わりに新しい固体の触媒を用いる技術。新規の固体酸の触媒については、ジルコニア酸化物とケイ素酸化物の複合酸化物触媒で、重合反応で活性を失わないように径の大きな多孔体(メソ多孔体)の表面に触媒成分を安定的に高濃度で載せることに成功した。

 また従来のプロセスでは、酸を中和させることで発生していた廃棄物(フッ素を含む塩)を実質的にゼロにする環境負荷の低減を実現した。更に、省エネルギー化にもつながり、商業生産においてもその廃棄物削減効果が実証された。

■「GSC(グリーン・サステイナブルケミストリー)ネットワーク」とは
 2000 年3月に、化学系の学会・団体及び国立研究所により設立された任意団体。化学に係わるものは自らの社会的責任を自覚し、化学技術の革新を通して「人と環境の健康・安全」を目指し、持続可能な社会の実現に貢献するとの基本理念のもとで、世界的な活動を推進、支援する。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1204690937.pdf