2008年03月12日
アジアのエチレン価格が下げ止まり
極東のスポット、先週は1,200ドル強
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、市況)
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 大手商社筋によると、下降を続けていたアジア地域におけるエチレンのスポット相場がここにきてようやく下げ止まった。
 先週末の極東の平均CFR価格はトン当たり1,200ドル強、東南アジア地域の平均価格は同1,100〜1,130ドルといったところ。1週間前とほとんど同じレベルを維持したことになる。
 
 アジア地域のスポットエチレン相場は、原油の高騰に伴うナフサの急騰で年明けから急上昇を遂げ、1月下旬には安値でも1,430ドル、高値オファーの中には1,500ドルも現われる事態となった。しかし、それを境に各地で下降線をたどりはじめて2月末には昨年11月上旬の水準まで戻り、わが国の誘導品メーカーの間には先行きの誘導品市況に悪影響が出てくるのではないかと心配する向きも現われていた。
 
 それがここにきて落ち着きを取り戻してきた背景については、ナフサのスポット相場の上昇が一段と加速してきたことが最大の要因と分析する商社が多い。
 ただし今後の見通しについては、イランのPC9とPC10の二つのエチレンプラントの当面の操業がどうなるかがはっきりしないため見極めが容易でないと述べる向きが多数を占めている。