2008年03月12日
東セロ、機能性フィルムの増設を完工
シリコーンコートフィルムの製造能力を4割増強
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:東セロ

 東セロは、かねて同社茨城工場内で機能性フィルムの1種のシリコーンコートフィルム(SCF)の増産を目的に増設工事をすすめていたがこのほど完工した。
 
 今回増設したのは、PETフィルムにシリコーンをコートした高機能フィルムの第4号装置。設備能力は年産8,000万平方メートル。投資額は、クリーンコーターとクリーンルーム及び付帯設備のトータルで約28億円となった。
 
 SCFは、セラミックコンデンサーや液晶ディスプレイパネル等の電子部品・部材の製造に不可欠とされる離型フィルムで、セラミックコンデンサーや液晶ディスプレイパネルの生産の増加に伴って需要が順調に拡大している。中でもセラミックコンデンサー向けは、携帯電話1台につき約300個、薄型テレビ1台当たり約2,000個が使用されるとあって特に大きな伸びを遂げているという。
 
 東セロは、こうした需要の拡大に対応して2000年12月に第2号機を、そして05年には第3号機を増設したが、その後もフル稼働が続いていて遠からず供給力不足をきたす心配が出てきたため4号機の設置工事に着手していたもの。今回の増設によって同社のSCFの総生産能力は約40%拡大したという。折から市場では、同フィルムの持つ機能がこれまで以上に生かせる次世代の電子部品・部材の開発・企業化が大きく加速されようとしている。したがって今回の増設は極めてタイムリーと見る関係者が多い。
 同社では、このSCFの販売強化によって06年度で137億円であった産業用機能性フィルム事業の年間売り上げ高を09年度に約200億円まで引き上げることにしている。