2008年04月04日
イランのエチレン10号機も本稼動開始
9号機分も合わせて欧亜への輸出が一段と拡大
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社筋によると、イラン・Assaluyen地区で試運転を続けていた年産130万トン能力の第10エチレンプラントが3月下旬から本運転入りした模様。
 これで、イランでは今年1月にBandarImamで本格稼動入りした第9号機と合わせて一気に年230万トンものエチレンの増産体制が整えられたことになる。
 
 もっとも、ポリエチレンやSMなど誘導品の設備は第9号機分も第10号機分も建設工事が遅れており、このため両プラントとも現在の稼働率は極めて低いレベルにとどまっていると見られている。
 誘導品設備の完工時期は、今年7月から9月にかけての間となる公算が強い。こうした中で両センター会社では、最低限度の経済稼働率を確保していくためエチレンの輸出にこれまで以上に積極的に取り組んでいる。第10号機で生産されたエチレンの一部も、先行した第9号機の船積み施設を使って輸出されつつあると伝えられる。
 
 大手商社の間では、直近の船積み量が月間5万トンに達しているとの見方が広がっている。うち60%がインドネシア、フィリピン、台湾などアジア地域向けで占められ、残り40%が西欧に振り向けられていると見られている。これに伴い、4月末以降のアジア地域や西欧の市場ではエチレンの需給に緩みが生じるのではないかとの観測が強まっている。