2008年04月28日
東セロが各種フィルムの第7次価格交渉を決着
OP、CP、L-Lは1連200円、蒸着品は400円引き上げ
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品、市況)
【関連企業・団体】:東セロ

 ポリオレフィン系フィルム大手の東セロは、かねてコンバータ各社と進めていた各種フィルムの第7次価格交渉が先週末までに全て決着したと28日発表した。
 
 コンバータ各社との間で合意した今回の上げ幅は、OPP(PP延伸フィルム)、CPP(PP無延伸フィルム)、L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)フィルムの3品種が1連(20ミクロン厚、500平方メートル)当たり200円、CMPSその他が同300円、蒸着フィルムが同400円となっている。
 OPP、CPP、L-LDPEフィルムの上げ幅は、需要家であるコンバータの強い抵抗で同社が希望してきた幅の3分の2に圧縮された。アップ率は6%弱となる。しかし、他の高機能品種は満額回答を得ることができたという。この場合の改定率は、品種によって大きく異なるので表現が困難と説明している。
 同社では一部のコンバータ向けは4月21日出荷分から新価格に切り替えており、他の需要家向けも5月1日出荷分以降は全て新価格での出荷とする。

 今回の価格改定は、原料樹脂の価格が今年2月に1キログラム当たり15〜20円引き上げられたことに対処して計画されたもの。04年6月以降で7度目の値上げとあって需要家の抵抗がこれまで以上に強く、このため当初計画していた汎用3品種の上げ幅の圧縮と、4月1日出荷分からを予定していた実施時期はともに修正を余儀なくされた。ただし、同社が得意とする高機能品種の上げ幅が同社の希望通りとなった点は同社にとって救いと言える。

 同社によると、これらの品種の需要はOPPこそ前年並みにとどまるものの、他はいずれも情報電子材料分野向けを中心に引き続き順調な伸びを遂げる見通しという。同社では、今年の需要の伸びをCPPで2〜3%、L-LDPEフィルムで3〜4%と予想。また他の高機能フィルムについてはそれ以上の成長を期待している。対する供給能力は一部の新増設で若干増える見込みにある。しかし全体の需給は今年も引き続きタイトバランスで推移すると同社では予想している。