2008年04月30日
中国の汎用樹脂輸入、1Qはほとんどが前年割れ
合計8品目のうち前年同期超えはABSだけ
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 中国による汎用樹脂の1〜3月期の輸入通関数量は、合計8品目のうちABSを除く7品目が前年同期の実績を下回った。3.8%減にとどまったPSを除くといずれも前年同期に対する縮小率が大きい。

 ポリオレフィン各樹脂は3ヵ月全てが前年同月割れとなっている。そのうちのHP-LDPEの場合は、かねてからアジア地域全体の供給力が総需要量を大きく下回る状態にあるので前年同月割れが続くことは予想されていた。しかしL-LDPE、HDPE、PPホモポリマー、PPコポリマーの場合は、エチレンプラント事故に見舞われた三菱化学や操業が不安定といわれるサウジ・シャルクなどごく一部の企業を除いて輸出余力が縮小しているわけではないのでどうして中国の輸入減が長期化しつつあるのか判断に苦しむ関係者が少なくない。大手商社の中には「最近は中国国内でかなりの規模の増産が実施されているので全体に輸入が縮小するのは不思議でない」と指摘する向きもある。

 日本品の輸入もABSを除いて前年同期を下回っており、縮小幅も大きい。シェアトップのPVCと3位のABSを別にして全体にシェアが下がる傾向にある。