2008年05月02日
BZ価格、USCPも5月分が反騰
上げ幅はガロン12セントと小幅
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、市況)
【関連企業・団体】:なし

 米国市場におけるベンゼン(BZ)の5月の長期契約ものの価格(USCP)は、ガロン当たり387セントに引き上げられることがこのほど確定した。

 4月の価格は同375セントで前月のCPを同22セント下回ったが、5月は逆に12セントの反騰となった。
 5月のUSCPをトン当たりに換算すると1,157ドルとなる。4月に対しては36ドル高ということになる。新日本石油など日本のBZメーカーがアジア地域の大手需要家との間で合意したアジア地域のコントラクトものの5月の価格(ACP)は同1,145ドルで、4月分に対しては同60ドルの値上げとなる。USCPの5月の上げ幅はそれを大きく下回る。

 この背景については、両地域におけるBZの需給バランスの違いを挙げる関係者が多い。すなわち米国の場合は、SMメーカーやフェノールメーカーの多くがここにきて原料高に対処して減産を目指すようになってきたためBZ市場にアジア地域ほどの需給逼迫感がなく、このことが今回のリファイナリーと需要家の価格交渉に強く影響したとの分析なわけ。
 しかし小幅とは言え今回の反騰は需要家各社に取って大きなマイナス要因となる。中でもプロピレンの急騰に悩むPHメーカーには軽視できない点であり、これを受けてどういった生産計画をまとめていくかが注目される。