2008年05月07日
新日本石油、中国・CNPCと大阪製油所を合弁運営
輸出専用製油所に転換、「過剰設備対策」効果も
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:新日本石油
意向書を交換する蒋CNPC総経理(左)と渡会長

 新日本石油は7日、中国石油天然ガス集団公司(CNPC)との間で、新日石精・大阪製油所を合弁製油所化するで合意し、同日正午、渡文明新日石会長と蒋潔敏CNPC総経理両氏によって、合弁会社設立に関する「意向書」および石油製品「受託精製契約書」への調印を行なった。
 
 わが国の石油需要は、昨今の原油価格高騰や燃料転換・省エネ化の進展によって大幅な減退が見込まれている。一方、アジア・太平洋地域における石油製品の需要は着実に増加しており、今後も拡大が見込まれる。
 
 このため、大阪製油所を合弁製油所化することで、新日石グループの製油所運営能力と、CNPCグループの製品マーケティング能力を最大限に活用し、アジア市場に向けた輸出型製油所に転換し、国内の過剰設備解消につなげることにした。

 新日石は2004年7月にCNPC傘下のチャイナオイルとの間で石油製品の受託精製契約を締結するなど、両社はこれまでも良好な関係にあった。08年度の契約数量は前年度の5万バレル/日から同7万バレルに増量することが決り、7日「意向書」とあわせて調印した。

交換後握手する両社首脳

 合弁会社の社名や設立時期などの細目は今後協議して決めるが、遅くとも来年4月までには事業をスタートさせる予定。

 このあと記者会見した西尾進路・新日石社長は、質問に答えて「大阪製油所で生産されるものは全量輸出し、完ぺきな輸出型製油所を目指す。石油化学とパイプで結びついている原料・中間製品については今の状態のまま供給を続けるが、それ以外にCNPCからほしいという要望があった場合は新日石の他の製油所から出すことになるだろう。出資額の規模などは未定だが、わが国石油業界の未来像を示すモデルにしたい」と語った。
 
【合弁会社の概要】
◇所在地 :大阪府高石市
◇出資比率 :新日石 51%、CNPC 49%
◇事業内容 :大阪製油所(原油処理能力 11万5000バレル/日)で原油を精製しアジア・太平洋市場で販売する。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1210149007.pdf