2008年05月08日
「輸出型製油所」で“脚光”を浴びる新日精・大阪製油所
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:新日本石油
新日精・大阪製油所

 新日本石油が中国石油天然ガス集団公司(CNPC)と合弁運営することになった新日本石油精製所有の大阪製油所は、1971年1月、興亜石油(当時)が関西地方初の製油所として原油処理能力80,000バレル/日で操業をスタートした。その後増設して現在は115,000バレルと、中堅規模の製油所に発展している。

 横浜・根岸や室蘭、水島など全国6カ所に合計115万7,000バレルの製油所を持つ新日精グループの中では、大阪製油所は規模では最下位なものの「生産する製品の品質の高さや大容量の製品タンク群をもっていることなど、輸出型製油所として最適の条件を備えている」(西尾新日本石油社長)という。

 敷地面積130万平方メートル。従業員262人。接触分解装置27,000バレル、接触改質装置17,000バレルなどを持ち、製品のガソリンや灯・軽油、重油などを主に関西市場向けに出荷しているほか、石化用ナフサを泉北コンビナートを形成する三井化学グループのオレフィンセンター、大阪石油化学に供給してきた。また発電事業者として、149,000KWのIPP発電装置を持ち、130,000KWを関西電力に供給している。

 「輸出型製油所」を目指すといっても、同製油所が果たしてきたこれらの機能や供給システムなどは大きくは変わらないようで、西尾社長は「IPP発電は電力会社との契約もあるので合弁事業から切り離す。ナフサも供給先とパイプでつながっているし、これまでと変えるつもりはない。CNPCがほしいと言ってきたときは、他の製油所からバーターして出荷すればいい。大事なのは生産の最適化と全体の稼働率アップだ。わが国石油業界の未来像を示す、モデルにしたい」との点を強調した。具体的な計画内容については、まだ「詰めきれていない」ところが多いという。

 新日石側は新発足するJVの中で、オペレーター部門を受け持ち、CNPCは製品マーケティングを担当する。「両社のもつ強みを最大限に活用していきたい」と意欲的で、上がる利益などは出資見合い(新日石51%、CNPC49%)で分け合う。CNPCグループとはこれまでも製品の受託精製契約を結ぶなど深い関係にあるが、「将来は株式の持合いなどもあり得るのか」との質問に、西尾社長は笑って「相手が巨大過ぎて、少しぐらい株をもっても意味ないだろう。それより信頼関係の中で実をあげていきたい」と答えた。

 今後の課題は、精製能力に“余裕”のある新日石グループが、どこまでJVをサポートできるかにかかっている。国内の石油製品需要が年率3%のペースで減少を見せる中でアジア・太平洋地域の需要は着実に増大しており、過剰設備対策としても有効な「輸出型製油所」への転換の意義は大きい。