2008年05月19日
「北京バイオ産業の現状と方向性」北京生物研・沈副所長が講演
【カテゴリー】:海外(ファインケミカル)
【関連企業・団体】:なし

 横浜市経済観光局誘致・国際経済観光課はこのほど、横浜・北京バイオ産業情報交換会を開いた。同交流会は昨年に続いて2度目。横浜企業経営支援財団が主催、木原記念横浜生命科学振興財団が協力した。

 北京生物技術・新医薬産業促進センターの雷主任、横浜市経済観光局の長島産業活性化担当調整監がそれぞれ日中相互交流の必要性を強調したあと中国生物技術集団公司北京生物製品研究所の沈副所長が「北京バイオ産業の現状と方向性」について大要、以下のような講演を行った。

 07年の中国の医薬品の販売をみると売上げが6,393億元(06年4,928億元)、利益が630億元(393億元)となった。利益の増加率が55.6%と大きい。01年の各2,122億元、179億元と比べるとおよそ3倍に伸びている。

 世界の医薬品の販売は06年(上位10カ国が80%)で米国が2,743億ドルとトップ。2番目は日本の637億ドル、3番目がフランスの340億ドル、以下、ドイツの321億ドル、イタリアの206億ドル。中国は9番目、129億ドルだが、今後は大きな伸びが期待できる。

 中国での医薬品販売は渤海湾地区(北京が中心)、長江デルタ(上海)、珠江デルタ(広東省)が売上で62.8%、利益で67.3%を占め、とくに北京のウエートが高い。北京は医薬の技術面でも強くNO.1の地位にある。

 北京では北側に研究開発が集中、南には企業が多い。化学系、漢方系とも企業活動が活発で、医療機械も発展している。政策的には技術力、創新力、企業体力の強化が重視されている。またアウトソーシングが奨励されている。

 商務部は外資を受け入れ、研究力を高め、国際マーケットで活躍することや品質管理、販売管理の強化をのぞんでいる。北京には新薬のメーカーが1,536社ある。研究開発サービス業として、中国生物技術アウトソーシングサービス連盟(ABO)が05年に設立された。

 ABOは22社が参加、従業員1,500人を数える。06年の販売収入1.59億元に対し07年には3億元を超えた。10年には7億元を上回る見込みである。ほかに北京腫瘍研究連盟、北方抗体連盟、研究開発サービス専門委員会北京生物工程学会、中関村生物工程と新医薬企業協会などがある。

 北京側に続いて木原財団から横浜の理化学研究所、理工医学系大学、大学院、バイオ企業、武田薬品、医療機器関連企業、横浜・神奈川のバイクラスター、ベンチャーインキュべーション施設や日本最大級展示会・バイオコンベンション(08/10-15〜17)、医療機器デザインと製造技術の展示会・国際会議「MEDTEC」(09/4-8)が紹介された。