2008年05月21日
ダイセル化学、大竹に液晶フィルム用酢酸セルロース製造設備竣工
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:ダイセル化学
ダイセル化学 大竹工場

 ダイセル化学工業は、大竹工場(広島県大竹市)に工費約400億円をかけて建設中だった液晶表示向けフィルム用酢酸セルロース新設備が完成したため、21日、藤田広島県知事、入山大竹市長、古森富士フイルムHD社長ら関係者180人を招いて竣工式を行なった。
 
 液晶ディスプレイ市場の拡大に伴い、酢酸セルロースの需要が増大しているため対応することにした。工場用地は2006年7月、同社大竹工場に隣接する工業用地約10万平方メートルを大竹市の公募に応じて取得した。
 
 同設備の完成で、同社の三酢酸セルロース(TAC・注1)の製造能力は、現在の約1.8倍となった。
 
 また、大竹工場の敷地面積は約24万平方メートルだったが、2004年、2006年、2007年の3回にわたり、県から隣接用地を購入した結果、2倍の約47万平方メートルとなった。購入用地には、ほかにたばこフィルター用アセテート・トウ製造設備(注2)、使用済みタイヤを熱資源として再利用する循環流動層ボイラー設備などがあり、すでに稼動している。
 
  これら一連の設備投資により、大竹工場は従来の有機合成事業部門に加えて、セルロース事業部門の製品も製造することになり、姫路製造所網干工場とともに同社コア事業を支える重要拠点となった。
 
(注1) 三酢酸セルロース(TriAcetyl Cellulose):
 酢酸セルロースのうち、主に液晶表示向けフィルムや写真フィルムの原料として使用されている。これに対して、主にたばこ用フィルターの原料となるのが二酢酸セルロースで、 アセテート繊維には、二酢酸セルロース、三酢酸セルロースともに使用されている。
 
(注2)アセテート・トウ :
 主にたばこ用フィルターに使用される酢酸セルロース繊維の束で、世界のたばこの95%以上がアセテート・トウのフィルターを使用している。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1211345036.pdf