2008年05月23日
中国陝西省、経済貿易拡大へ300プロジェクト説明
【カテゴリー】:海外
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 省都・西安を持つ陝西省は22日、東京で経済貿易拡大の説明会を行い、歴史的発展の経過と産業、文化の現状、省エネ・環境・医薬・農産品加工など9分野300プロジェクトを明らかにした。来日を予定していた袁純清省長は四川大地震の都合で欠席、秦正省秘書長が代行した。

 陝西省の経済は中国政府の西部大開発計画で急発展している。ここ10年に平均12%の経済成長を遂げ、とくに07年は14.4%伸びた。今後20年はさらなる発展が見込める。07年末までに74カ国・地域が進出、4,806社75億ドルを投資している。

 ウオルマート、カルフール、フィリップス、シーメンスなど世界500企業のうち50社近くが進出して中国西部のホットプレースになっている。日系は富士通、日立、三菱、伊藤忠、コスモなどが現地進出している。輸出入総額は07年は6,028億ドルで、第3位の貿易相手国となった。

 市は日本を対外開放の重点国家のひとつにあげて、自動車、電子情報、エネルギー、化学、ハイテク、省エネ、環境保護、文化観光などの分野で協力を求めている。特に環境保護では漢江、丹江などの汚水・ゴミ処理や発電所のエネルギー節約に力を入れている。

 石炭化学、石油・天然ガス化学や再生可能エネルギー、新エネルギー事業を強化したいとしている。ハイテクではシリコン産業、チタン材料、ソフトウエア産業、生物産業。送電、変電設備、デジタル制御工作機械、自動車、電子通信、石油装備などが対象になっている。

 陝西はこれまで航空、宇宙飛行機械、電子、農業の科学研究、製造基地として発展してきた。西安交通大など大学が76校、科学研究機関が1,000カ所、科学研究者が110万人に及ぶ。中国上位の高等教育基地として知られる。

 産業活動では西安ハイテク産業開発区があり、中国政府が全国で展開する53のハイテク区の一つだ。ほかに国家クラスの西安経済技術開発区(自動車・部品、新材料など)、農業ハイテク産業垂範区、航空産業ハイテク産業基地もある。

 91種の鉱物の埋蔵量が確認されている。石炭、石油、天然ガスだけでなく、植物(3,300種)、動物(91種)資源も豊富である。訪日代表団は東京に続き大阪、京都を訪問する。