2008年06月02日
PSジャパンもPS全品種の値上げを表明
7月1日からGPを15円、HI等を20円引き上げ
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:PSジャパン

 PSジャパンは2日、ポリスチレン(商品名;PSJ-ポリスチレン)の全品種の国内販売価格を7月1日出荷分から1キログラム当たり15〜20円の幅で引き上げると発表した。
 わが国石油化学誘導品メーカーの間では5月中旬以降、原燃料の高騰に対応して製品値上げの表明が相次いでいるが、PSに関しては今回のPSジャパンが初めてとなる。
 
 上げ幅は品種によって異なる。汎用のGPPSは同15円とするが、価格の高騰が著しいゴム成分を含む高耐衝撃性のHIPSと、同じくゴム成分と難燃剤とが必要な難燃及び特殊グレードの場合は上げ幅をともに同20円に設定している。
 
 同社がPSの値上げに取り組むのは今年に入ってこれが2度目。前回の表明は1月であったがこのときは不発に終わり、この結果昨年6月に大手需要家向け同15円の値上げを実施して以降の原燃料費や用役さらには物流費等の上昇分は製品価格に転嫁できないままきている。
 
 今回の値上げ幅は、4〜6月期における主原料ベンゼンのアジア地域の価格がトン当たり1,180ドルに、国産ナフサ価格が1キロリットル当たり72,000円に、為替が1ドル=104円にそれぞれ上昇すると想定、加えて副原料や用役・物流費の膨脹分が計5円に達すると算定して設定したもの。もっとも、原燃料費や諸経費は7月以降もさらに上昇が必至と見られている。したがって今回打ち出した新価格が全面的に市場に受け入れられても、引き続き苦闘を余儀なくされることになりそう。