2008年06月03日
PETボトルの回収、4月は6ヵ月振りの前年超え
自治体による輸出も依然として大幅な伸び
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 国の指定法人である日本容器包装リサイクル協会が容器包装リサイクル法に沿って4月中に全国の市町村から引き取った使用済みPETボトルの総重量は10,435トンとなった。
 前年同月の実績を9.1%上回っている。2ヵ月連続の10,000トンの大台超えで、この結果、昨年10月いらい6ヵ月振りの前年同月超えとなった。
 
 容器包装リサイクル法では、全国の市町村が家庭から分別収集した使用済みPETボトルは日
本容器包装リサイクル協会に引き渡すことが基本と定められている。同協会では、この取り決めに基づいて毎年度、各自治体と意見調整して当該年度の年間引取り予定量を決めて公表し、各自治体に着実な実行を促している。しかし最近は未達状態が続いており、また前年度の実績もクリアできないできている。07年度(2007年4月〜08年3月)の場合も同様で、年間総引き取り量は当初予定の引き取り量を0.7%、前年度の実績を0.3%それぞれ下回って140,013トンにとどまった。
 
 これには、多数の市町村が分別収集と選別に要する費用をカバーするため収集PETボトルの多くを貿易業者に売却しはじめたことが大きく影響している。ちなみに、財務省の貿易統計によると07年度のPETくずの総輸出量は363,481トンで、前年度の実績を26.6%上回っている。絶対量の面でも、前年度比の面でも同協会の引き取り実績を大きく上回っている点が注目される。
 4月の輸出量は28,090トンで同協会の引き取り量の2.8倍となり、前年同月の実績を19.4%上回っている。このため、国内の同ボトルの大手リサイクル事業者は引き続き原料不足に頭を痛めている。
 
 なお、同じ容器包装リサイクル法の対象リサイクル製品のうち分別収集量が最も多いその他プラスチック製容器包装の4月の同協会による総引き取り数量は49,879トンで、前年同月の実績を10.5%上回った。これで同容器包装の月間引き取り量は13ヶ月連続の前年同月超えとなった。