2008年06月09日
中韓石化プロジェクト、中国なお新規計画目白押し
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 シノペック(中国石油化工)はこのほど、韓国最大の石油精製企業であるSKエナジーと合弁で湖北省武漢市にエチレン年産80万トン規模の石油化学センターを建設、運営する契約に調印したが、中国ではまだ供給不測が続いており2010年には2000万トンの供給能力を確保する計画だ。

 シノペック・SKエナジーの計画は、武漢市が用意した東部の葛店化学工業団地(165万2,900平方メートル)に、エチレン年産80万トン規模のナフサ分解設備、低圧ポリエチレン、高圧ポリエチレン各年産30万トン、ポリプロピレン40万トンの設備を2011年までに建設する。所要資金約140億元。韓国企業としては初の中国での石化プロジェクトとなる。

 シノペックは昨年12月にナフサ分解設備と両ポリエチレンのほか、ブタジエン12万トン、エチレングリコール30万トンなどを資金300億元で建設する予定を立てていた。引き続きSKエナジー、または他の外資とこれらの残る設備の建設も検討する。

 武漢市はこれまでに自動車、鉄鋼、科学技術の基地を建設しており、化学工業団地の完成で総合的な近代産業基地の態勢が整うことになる。
 
 湖北省は中国内陸部に位置するが、原料の石油は新疆ウイグルからと、長江を経由するタンカーでの輸送を予定している。

 中国の石油化学産業は06年にエチレン867万トン、07年に1,055万トン(対前年比21.7%増)を生産、まだ供給不足が続いている。第11次5カ年計画で2010年にエチレン2,000万トンの設備能力を確保する計画だ。

 現在、進行中のエチレン計画をみると09年の完成を目標に、独山子エチレン(100万トン,新彊ウイグル)、天津石化(100万トン)、上海第2エチレン(60万トン)、福建エチレン(80万トン、エクソン、アラムコとの合弁)の計画がある。

 10年は撫順エチレン(80万トン)、広州石化新エチレン(80万トン)、成都新エチレン(80万トン,四川大地震で遅延も)、鎮海新エチレン(80万トン、浙江省)青島(80万トン)、11年は武漢(80万トン)、台湾FPC寧波(100万トン)がある。

 これらに続いて唐山(100万トン、河北省)、珠海(80万トン、広東省)、煙台(100万トン、山東省)なども発展改革委員会に計画承認を申請している。


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