2008年06月13日
EVAのアジア市況、6月はさらに上昇
中国のCFR価格は2,400〜2,500ドルに
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、市況)
【関連企業・団体】:なし

 中国を中心としたアジア全域でEVA(エチレン酢ビコポリマー)の価格が一段と上昇してきた。
 
 EVAの場合は酢ビのコンテントの多寡によって価格がかなり異なるので、平均価格を簡単に表現できない面があるが、直近の中国のCFR価格を例に取ると、汎用品種の多くはトン当たり2,400〜2,500ドルの範囲内まで上がっている模様。酢ビのコンテントが高い機能品種はさらに250〜300ドル高いレベルに達しているようだ。
 1ヵ月前に比較すると、どの品種も最大で同200ドル、最小でも同100ドル上がっている計算になる。わが国のEVA大手によると、この数ヶ月は月間契約価格がおおむね前の月を100ドル以上上回る状態が続いているとのこと。
 
 最近は多くの樹脂のアジア市況が急速に上昇してきている。しかし、100ドル以上の値上がりが長期にわたって続いている樹脂はEVA以外にはあまり存在しない。この背景については、オリンピックブーム下にある中国でスポ−ツシューズ向けの需要が引き続き拡大しているのに加えて、東南アジア諸国の間でも発泡用やホットメルト接着剤用、さらには太陽電池パネル向け等の需要が一段と活発になってきたことが大きいと分析する関係者が多い。
 もっとも、日本国内のEVAメーカーの多くは内需の対応に追われて輸出量を絞らざるを得なくなっている。