2008年06月23日
三菱レ、アクリル樹脂板の輸出価格も改定
7月10日分から各品種をキロ0.5ドル引き上げ
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 MMA最大手の三菱レイヨンは23日、アクリル樹脂板の輸出価格を7月10日出荷分から1キログラム当たり0.5ドル以上引き上げると発表した。値上げ率は品種によって異なるが、低い品種でも10%超となる見込み。
 
 同社はアクリル樹脂板については、国内向けを「アクリライト」の商品名で、また海外向けを「ShinkoLite」の商標で販売している。国内向けと海外向けの販売比率はほぼ同じだという。
 
 現在の企業化品種は、導光板グレード、ハードコート板、一般板(L・DX)及びサニタリーグレード(PX)の3種類に大別される。需要は特にアジア地域における導光板向けが予想以上に伸びており、このため大竹、富山の両工場の合計年産40,000トン設備も中国・南通の同20,000トン設備もともにフル稼働が続いている。
 
 しかし、原燃料価格が原油ならびにナフサの高騰に伴って大幅に上昇してきたため採算が大きく圧迫されており、このため先に表明した国内向け価格の改定に加えて輸出価格の改善にも踏み切ることにしたもの。
 
 導光板の需要は液晶モニター向けを中心に韓国や中国、台湾等で引き続き大幅に伸びている。当初、これらアジア地域における今年の需要の伸び率を年5〜7%と想定していた。しかし現実には1〜3月期が前年同期比30%増となり、4月以降もブラジル、ロシア、インド等の需要増が加わって前年を大きく上回っているという。
 
 このためアジア地域を中心に世界全体の需給は完全にタイトバランスとなっており、今後もなお3〜4年は逼迫状態が続くというのが現時点における同社の予想。同社は09年末にタイに同20,000トンのシート設備を完成するが、ただちにフル稼働になると判断している。