| 2008年07月22日 |
| 香港・深せん「融合に向かう近未来都市」でセミナー |
| 創造と先進技術の産業中華圏ハブを指向 |
| 【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:なし |
香港と深せんの経済・サービス一体化を目指す香港貿易発展局と深せん市貿易工業局は先週、東京と大阪で「香港・深せん 融合に向かう中国の近未来都市」と題するセミナーを開いた。 創造産業と先進技術産業の中華圏でのハブを目指す構想は、03年の香港・広東政府間の協力で始められ、05年9月に温家宝総理が深せん・香港の合作推進を呼びかけた。2020年にはニューヨークやロンドンなどに匹敵する1大都市に発展させる計画だ。 香港と中国は04年の「経済貿易緊密化協定(CEPA)」で香港の対中輸出の関税が撤廃され、香港のサービス業が中国に進出できるようになった。香港の金融・物流機能を利用し、華南地区に展開する生産拠点を資金や輸出面で支援する手法に加え、研究開発の拠点を設立することも可能になっている。 05年11月に香港空港—深せんフェリー一体化構想がスタート、06年7月にはIT技術産業基地と華南シリコンバレーの建設構想が打ちたてられ、07年に香港・深せん両空港の合作化が実現した。また、同年7月に出入境手続き一本化が進められた。 さらに08年3月に広東・香港・マカオの自由経済地域構想がスタート、香港—珠海—マカオ間の港珠澳大橋(2014年完成)の建設が、また4月には広州—深せん—香港(200キロを50分で結ぶ)間の高速鉄道計画も決まった。 このセミナーでは古田茂美・香港貿易発展局日本首席代表が挨拶した後、クリフトファー・ジャクソン香港貿易発展局副総裁、王曉春・深せん市貿易工業局副局長らが講演、鷲尾友春・ジェトロ理事らが基調講演した。 また、猪本有紀・丸紅経済研究所チーフアナリスト、関志雄・野村市場研究所シニアフェロー、角川歴彦・角川グループホールでングス会長兼CEO,倉田透・TDKゼネラルマネージャー、程肇・華為技術日本部長らにより「雁行形態モデルの最先端を行く香港・深せん」と題したパネルデスカッションが行われた。 古田氏は「香港・深せんの共同出入境ができて今月で1年経過したが、1日の通過人が1万人から6万人に増えた。貨物も1,500トンから6,100トンになっている。一体化が急速に進んでいる」と交流の拡大を強調。 また、王氏は「80年に経済特区に指定されて以来、3万人の村から今や1、000万人の大都会に成長した。一人当たりGDPは1万ドルを超した。輸出も15年にわたって中国のトップを維持(07年は1,684億ドル)している。外資の直接投資額は07年末で中国全体の5%に当たる374億ドル(世界トップ500社のうち148社が進出)に達した」と急速な発展を語った。 |