2008年07月30日
吉林省 琿春「日本工業園」の投資説明会開く
【カテゴリー】:海外
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 国連開発計画(UNDP)に提唱された東北アジア国際協力開発の中心地帯である吉林省の琿春市。昨年、中国中央政府に承認され、今年初めから日本工業園、韓国工業園など辺境経済合作区の建設を進めている。

 この工業園に日本企業を誘致しようと同市と同合作区は、29日、東京で投資説明会を開いた。席上、トウ凱・吉林省委常委(延辺州委書記)、王金玉・琿春市副市長らが市の特徴として「地理、資源、環境、基盤、政策の有利性、穏やかな気候(8月の平均気温21.2度C、森林被覆率85%)、日本海経済圏構想の展開」などをあげた。

 また、蘇州シンガポール工業園をモデルにハイテク、自動車部品、物流、高級アパレル、木質製品加工、水産品加工、農産物加工に重点を置いて発展を目指す意向を示した。日本工業園は面積5平方キロでスタートする。すでに同市に進出している企業は12社。

 市の面積は5,145平方キロ(市内125.8平方キロ)、人口26万人。GDP は40億元、市民一人当たり所得は年1万2,000元(農民5,000元)、工業用地は1平方メートル144元(賃貸50年)。
市には石炭の埋蔵量が12億トン、アジア最大のタングステン鉱山、銅・アルミ・亜鉛などの地下資源、中国平均の5倍の水量(26.3億立方メートル)があり、観光資源(野生トラ国家級自然保護区、防川風景名勝区、原生湿地帯など)も多い。

 中国国務院はこれまでに東北振興政策のもと辺境経済合作区(1992年)、輸出加工区(2000年)、中露相互市場貿易区(2001年)を許可している。このほかすでに建設済みのロシア工業園の加えて、日本、韓国工業園、吉林香港工業園を建設しているわけである。

 市の周辺にはロシアのポシェット港、ザルビの港、ウラジオストック港や羅津(北朝鮮)などの良港がある。また、国際輸送航路としてザルビノー韓国・束草、延吉—羅津—釜山間が開通している。市—ザルビノー新潟間は計画中だ。

■ 人名の「トウ」は、登の右におおざと。