| 2008年08月07日 |
| 「中・台経済関係」と日台アライアンスの行方 |
| 呉政典・台湾貿易センター東京所長が解説 |
| 【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:なし |
台湾貿易センターの呉政典・東京所長はこのほど、横浜企業経営支援財団で、馬英九・台湾新政権の誕生と経済交流、中台直行便の就航について、日台アライアンスの視点から今後を展望、商機と課題を大要、以下のように解説した。 中国は中国資本の台湾投資を解禁し、中台間の資本移動をこれまでの台湾からの一方向にたいして双方向にする。日本企業は、台湾を拠点にして中国を含む大中華圏や東南アジアへ共同投資を行うビジネスチャンスができた。 中台の経済関係正常化への政策としては、中台直行の週末チャーター便の運航や中国人一般観光客の台湾渡航開放、台湾での人民元両替、台湾企業の対中投資上限の規制緩和、外資の台湾経由対中投資の自由化が行われた。 今後は液晶、半導体など対中投資制限分野の緩和や中国資本の台湾製造業への投資緩和、中国資本の台湾株式市場への投資緩和、中台間の海と空の直行便の開放などが検討される見通しである。台湾企業のグローバル化が実現する。 また、馬政権は総額3兆9,900億台湾元(約14兆円)の域内経済発展プロジェクトを打ち出した。「愛台12項目建設」と呼ぶこのプロジェクトは、鉄道網や高速道路の高度化、桃園国際空港エリアの開発、サイエンスパーク新設など新規産業の育成、コンテナセンターの建設、農村の再生などから成っている。 日本は1952年から今年6月までの対台投資累計が5,696件(全体の27%)と件数別で2位の米国を大きく上回っている。 ■ 既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=24716 中国で活躍する台湾系企業は情報機器産業、半導体IC産業、食品産業、スポーツ産業、サービス産業など。台湾からアセアン各国への投資ランキングでは1位ベトナム、2位カンボジア、3位タイ、マレーシア、4位フィリピン、6位インドネシアなどとなっている。 台湾への今後の投資は、台湾企業の国内工場はもとより、中国や東南アジアの工場を活用したフレキシブルかつ生産効率の高い、安価な材料・部品および製品の国際調達が可能となる。 また、中国での内販に的を絞った日台アライアンスも可能になる。すでに日商岩井、神戸製鋼所、ソニー、ワールドケミカル、ペンタックス、豊田合成、不二家、共和レザーなどが実施している。自動車関係も多い。 台湾の優秀な人材を中華圏のマネージャーに登用するのも有効だ。賃金は部課長級で横浜の月5,616ドル、上海の1,710ドル、大連の480ドル、バンコクの790ドルに対し台北は2,462ドルで競争力はとりわけ高くないが、台湾は教育水準が高く、日本語の堪能な人材が多い。 <参考> 台湾貿易センターの呉政典・東京所長は86年台湾大卒(TEL:03-3514-4700) |