2008年08月20日
PVCの7月の国内向け出荷、17ヵ月振りの前年超え
前倒し需要が発生が影響か、全分野が大幅な伸び
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 PCV(塩ビポリマー)の7月の国内向け出荷量がしばらく振りに前年同月の実績を上回った。しかも伸び率が8%と高い点が注目される。
 
 同樹脂の7月の総生産量と総出荷量はともに前年同月の実績を下回った。総生産量は21.9%減で8ヶ月連続の、また総出荷量は8.7%減で9ヵ月連続のそれぞれ前年同月割れとなっている。
 
 ところが出荷のうちの国内向けは前年同月を逆に8.0%上回り、17ヶ月振りの前年同月超えとなった。消費量が最も多い硬質用が8.3%増となったのをはじめ、軟質用が8.8%増、電線その他が6.3%増と全ての分野が前年を大きく上回っている。硬質用は17ヶ月振り、軟質用は25ヶ月振り、電線その他は4ヵ月振りの前年同月超えとなった。
 これには、同樹脂各社が打ち出した値上げを回避するのは無理と判断した多くの需要家が、前倒し発注に踏み切ったことが大きく作用していると見られる。
 
 このように国内向けが大きく伸びたにもかかわらず総出荷量が引き続き前年を下回ったのは、輸出が不振で34.4%縮小したため。これで輸出は7ヵ月連続の前年同月割れとなった。中国の引き合いの低迷が響いてのもの。
 
 この結果、今年1月から7月までの同樹脂の総生産量は104万1,897トン、総出荷量は104万4,215トンとなった。前年同期に対比すると、生産は14.5%減、出荷は14.3%減となる。出荷のうちの国内向けは708,516トンで同4.6%減、輸出は335,699トンで同29.5%減となっており、輸出の落ち込みが特に目立つ。