| 2008年08月20日 |
| アジアのエチレン価格がさらに下降 |
| 東南アジアのCFR価格はトン1,350ドルに |
| 【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、市況) 【関連企業・団体】:なし |
大手商社によると、アジア地域におけるエチレンのスポット価格がさらに下げ足を早めている。中でも東南アジア諸国の輸入価格の下降速度の速さが目立つ。 大手商社の日本本社や東南アジア地域の現地法人等で得た情報によると、東南アジア地域の直近のCFR価格はトン当たり1,350ドル強で、過去10日で最大100ドル下がっている。一方、中国と台湾のCFR価格の平均は1,400〜1,420ドルで、10日前に比べると70〜80ドル安となっている。 いずれも、中国の石油化学誘導品全体の需要の低迷と原油の国際スポット相場の反落が大きく影響してのものと見られている。 東南アジア地域と極東との間にかなりの格差が生じているが、これは、今年春以降にイランをはじめとした中東諸国から安価なエチレンが同地域に大量に流入しはじめていることによるものと見られる。 大手商社の間では、アジア市場おけるエチレン相場は今後も弱含みで推移すると予想する向きが多い。中国の石化誘導品の需要に回復の兆しが現われないことと、原油ならびにナフサの価格の先行きが不透明なため多くのユーザーとトレーダが買い控えを続ける公算が大きいと判断しているからだ。 中東勢がさらにアジア地域にエチレンの輸出攻勢をかけてくるようなことがあれば、もう一段の下降もあり得る。 |