2008年08月21日
三菱ケミカルHDの小林社長「原油価格110-120ドルを予想」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学、三菱ケミカルホールディングス

 三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長は21日記者団と懇談し、懸念が広がっている内外景気の動向や原油・ナフサ価格の動き、今後の同社の経営課題などについて約1時間にわたりざっくばらんに語った。
 
 この中で、原油・ナフサ価格の動きについて「流動的なので何ともいえないが、やがて1バレル110〜120ドルぐらいで落ち着くのではないか」との観測を示した。だが、そのあとで「これはあくまで希望的観測だ。それよりも石油などに振り回されないよう“脱ナフサ”と製品の高機能化を着々とやっていきたい」と付け加えた。
 
 7月にはロンドンとニューヨークを訪ね、証券アナリストたちに会社の現状や中期経営計画の内容を説明したが、反応はストレートだったようで「医薬品事業には評価が得られたが、石油化学をなぜやっているのかといった質問を受けた。理解できないといわんばかりだった」という。
 
 当面の課題としては、情報電子など機能商品分野の拡大と、バイオポリマー、有機太陽電池などの育成事業の早期事業化に引続き注力する。原油・ナフサ価格は長期的にはなお上昇すると“覚悟”し、2つの石油化学センターはプロピレン・ベースに切り替えていく、などを強調。黒崎事業所に完成したポリカーボネート年産6万トン設備は、需給バランスが回復するまで稼動を延期中だが、いつスタートできるかの見通しはまだ立っていないという。