2008年08月27日
中国の汎用樹脂の輸入、7月は過半が前年超え
ポリオレフィン5品目が揃って大幅な伸び
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 中国が7月中に輸入した汎用樹脂の通関数量は多くの品目が前年同月を上回り、前月とは対照的なかたちとなった。合計8品目のうちポリオレフィン5品目が前年同月の実績を上回っており、しかも伸び率がどの樹脂もこれまでになく高い点が注目される。
 
 汎用樹脂の単月の輸入で前年同月を上回る品目が過半を占めたのは、今年に入ってこれが2度目。5月は同じく8品目のうち5品目が前年同月超えとなったが、他の月は1月、3月、4月、6月がいずれも2品目にとどまり、2月にいたってはわずか1品目だけであった。
 それが7月に入って大きく様変わりしたのは、6月初旬から7月初旬にかけて原油とナフサの国際相場が急騰したことによって中国の樹脂加工企業やトレーダの間にポリオレフィンに対する先高観が急速に広がって買い意欲が一気に盛り上がったためではないかと見られる。
 
 8品目のうちL-LDPEは8ヶ月振りの、HP-LDPEは7ヵ月振りの前年同月超えとなった。PPのホモポリマーとコポリマーは、ともに前年同月割れとなった6月から打って変わって大幅な前年超えに転じた。HDPEは4ヵ月連続の前年超えである。
 反面、ABSは17ヶ月振りの前年割れとなった。またPVCは前年割れが6ヵ月連続に延びており、不振が長期化の様相を帯びてきている。PSは2ヵ月連続の前年割れとなった。
 
 このように7月はめずらしく過半が前年を上回るかたちとなったが、1月からの累計は依然として多くの品目が前年同期を下回っている。前年同期を上回っているのはHDPEとABSだけで、他の6品目は、2%減にとどまっているPSを除いていずれも縮小幅が大きい。8月以降によほど大幅な伸びがないかぎり今年は多くの品目が前年を下回ることになる。
 
 中国の汎用樹脂の7月の輸入通関数量と1月から累計は別表の通り。

【関連ファイル】
中国の7月の汎用樹脂の輸入通関数量と累計
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1219823862.xls