2008年09月03日
プラ製容器包装の再商品化が停滞
回収量を大幅に下回る事態に
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 日本容器包装リサイクル協会がこのほど集計したところによると、同協会が7月中に全国の市町村から容器包装リサイクル法に沿って引き取ったプラスチック製容器包装(PSPトレーを除くプラスチック製容器包装=その他プラ)の総数量は51,384トンとなった。前年同月の実績を7.0%上回っている。一方、同協会がリサイクル企業に委託して再商品化(リサイクル)した同容器包装の総数量は31,565トンとなり、前年同月を4.9%下回っている。総引き取り数量に占めるリサイクル率は61.4%で38.6%が有効利用されることなく焼却処理されたことになる。

 今年4月から7月までの累計では未利用率がさらに上がって43.6%となっている。総引き取り量は前年同期を5.9%上回って204,201トンとなっているが、再商品化量が同1.3%増の115,218トンにとどまっているからだ。リサイクル率は56.4%にすぎない。63.6%にとどまった07年度トータルリサイクル率をさらに大きく下回る事態となっている。ちなみにPETボトルの7月のリサイクル率は75.3%、4〜7月計のリサイクル率は82.6%となっている。

 プラ製容器包装のリサイクル率の低迷が長期化している最大の背景は、同協会が市町村から引き取った使用済みプラ製容器包装の半数近くがマテリアル・リサイクル(MR)の事業者によって落札されている点にあると見られる。リサイクルされる数量もMR量が断然多い。7月の総再商品化量31,565トンのうちの47.3%はプラスチック製品化手法によって処理されており、前年同月比は19.9%増となっている。コークス炉化学原料などのケミカル・リサイクル(CR)は軒並み前年同月を下回っている。4〜7月の累計でもMRは45.8%を占めており、前年同期に対する伸び率も13.5%と高い。

 総リサイクル量が総引き取り量を大きく下回っているのは、MR事業者が落札したプラ製容器包装の中に異物が混入していたり汚れがひどいものがあるため再生加工されず焼却処理されているからではないかとする関係者が多い。現在のようなMR優先の落札システムが継続される限り、実際の再商品化率は低下の一途をたどると指摘する向きもある。国によるCRの構成比の政策的な引き上げや、市町村による分別収集品の品質向上のための思い切った政策の検討が必要となりそうだ。