2008年09月09日
中国政府、石炭液化事業を制限
【カテゴリー】:海外
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(上海発=特約)

 中国国家発展改革委員会はこのほど、石炭液化(Coal-to-Liquids:CTL) 計画は神華グループ関係の2計画を除き、新しい計画を承認しないと発表した。

 まだ実験段階にあるため、技術と事業が確立するまでは過熱しているCTL事業をスローダウンし、事業リスクを避けることを狙ったもの。

 例外的に認められた計画の1つは、神華グループが内蒙古のオルドスでの年産100万トンの直接CTL事業で、既に建設中で、本年末か来年初めにスタートする。

 もう1つは、神華寧夏石炭グループと南アのサソールが共同で計画している間接CTL計画。
(注:石炭液化技術には石炭を粉砕し、溶剤と混合して高温・高圧下で水素と直接反応させる直接液化法と、石炭を一度石炭ガス化し、生成ガスを分離・精製した原料を合成反応させ液化する間接液化法に大別される)

 神華はサソールとのJVで、陜西省 楡林と寧夏回族自治区のNingdong にそれぞれ320万トンの間接CTL事業を計画していたが、今回楡林の計画は棚上げした。

 楡林では山東エン礦集団が自社開発技術で100万トンの間接CTL事業を計画しているが、これも棚上げされる。

 現在、石炭は中国のエネルギー需要の70%(主に発電、製鉄)を供給している。原油価格急騰を受け、地方政府や企業は内蒙古自治区、陝西省、寧夏回族自治区などの北中国の石炭が豊富な地域でCTL計画を次々に打ち出している。

 NDRCは2006年7月にCTLや石炭化学の小規模計画を規制した。
 CTLについては年産300万トン以上、メタノール/DMEは100万トン以上、石炭からのオレフィン製造(coal-to-olefins)は60万トン以上としている。