2008年09月16日
チバも発表、「BASFの提案は戦略的メリット大きい 」
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:BASF、チバ・ジャパン

 チバ・ジャパンは16日、BASFからチバ・ホールディングAG のすべての発行済株式を一株当り50スイスフランで公開買付するとの提案を受けたと発表した。
 
 同提案は、過去60取引日の出来高加重平均取引価格に対し64.3%のプレミアム、2008年9月12日の終値に32%のプレミアムを加えたもので、チバの取締役会は、この提案を詳細に検討した。この結果、取締役会は株主に対して、BASFの提案を受け入れ、チバの株式の買収に応じるよう推奨することにした。

 チバは、プラスチック添加剤、コーティング機能材、製紙・水処理剤における卓越したイノベーション能力とアプリケーションの専門的知見を通して、スペシャライズド・ケミカル・エンジニアリングの分野で、BASFの戦略とオペレーションを強化する。
 
 同時に、BASFのグローバルな研究、生産、マーケティング基盤とともに、重要な原材料および中間体についての共同後方統合は、チバにとって大きなメリットとなる。両社は、これまで長期にわたり、広範囲なサプライヤーと顧客の関係を維持してきた。

 チバの取締役会は、経営委員会とともに、同提案が適正であるとの見解を示している。スペシャルティ・ケミカル・セクターにおける構造的変化、特に増加する業界の整理統合や事業展開における変化とそれに伴うリスクの見地から、この決定が行われた。ペレラ・ウェインバーグ・パートナーズUK LLPが、財務的な視点から、チバの株主にとってこの提案が適切なものであるという、独立した公正意見書を提出している。

 取引合意書は2008年9月14日に調印され、そこには公開買付提案の条件とBASFとチバのそれぞれの義務が記されている。合意された提案価格に加え、チバの戦略上重要なスイス国内の複数の生産拠点、バーゼルの研究開発拠点、そしてBASFの一つの事業部門のグローバルな拠点のバーゼルへの設置など、BASFによるいくつかの保証項目も含まれている。

 チバは、臨時株主総会を招集することに同意し、そこで、チバの株主によって議決権行使の制限及び株主名簿への登録の制限(譲渡の制限)の廃止について決議されることになる。
  
 また、この臨時株主総会で、BASFによって推薦された複数のメンバーの取締役会への選出が提案される。このBASFの提案は、総議決権の少なくとも66.6パーセントの支持率が条件となっている。

 取引は、更に、合併を監視する関係当局の承認を必要とする。取締役会へのアドバイスは、クレディ・スイス、ラザード、ホンバーガーAGが行なっている。