| 2008年09月29日 | |
| 住友化学、ラービグに大規模「工業団地」 | |
| わが国プラスチック加工会社など誘致へ | |
| 【カテゴリー】:経営(海外) 【関連企業・団体】:住友化学 |
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住友化学は、サウジ・アラムコと共同でサウジアラビア・ラービグに開設する工業団地「ラービグコンバージョンインダストリアルパーク」にわが国のプラスチック加工会社や化学関連企業を誘致することにし、説明会などの活動を開始した。 同工業団地は、住友化学とサウジ・アラムコとが共同投資して建設する石油精製・石油化学統合コンビナート「Rabigh Refining & Petrochemical Co」(ペトロ・ラービグ)の隣接地に両社が共同で開設する。 現地進出の「利点」として、以下の点をあげている。 (1)コスト競争力に優れる隣接の統合大型石油・石油化学コンビナートから原燃料を安定的に受給できる。 (2)付加価値の高いプラスチック加工製品の大型市場をもつ欧州や、今後にプラスチック製品の需要拡大が期待される北アフリカ諸国に極めて近いポジションに位置している。 (3)各種インフラが整備され、ロジスティックも充実していて効率的な製品輸送が実現できる。 面積は240ヘクタール。先行企業群による工場の着工は今年11月、完工は来年末の予定。多くの企業は2010年春完工となる見込み。工業用水は同コンビナートエリアにある海水淡水化工場、また電気も同エリア内の火力発電施設からそれぞれ受給する。 用地のリース料は、管理サービス費を含めて1平方メートル当たり年間6サウジリアル(現レート180円)。 住友化学、サウジ・アラムコ両社が特に希望しているのは、 (1)各種包装用フィルムや自動車・電機部品、マスターバッチなどプラスチック加工産業に関わる企業。 (2)同コンビナートで生産されるモノマーを利用し溶剤等の誘導品を製造する企業 (3)石油精製・石油化学コンビナートで必要な各種機器並びに部品の製造・メンテナンス企業など。両社では30社ていどの進出を見込んでいる。 プラスチック加工については、欧州で安定した市場を確保していける付加価値の高い製品を得意とする企業の進出を特に強く期待している。医療用輸液バッグ・コンテナー、BOPPフィルム、衛生用並びに医療用不織布、自動車用小型部品、PE製ドライバルク内袋、HDPE製複合パイプ、コンテナー等大型樹脂製基布、土壌用合成化学製品などが有望製品としてあげられると住友化学では説明している。 工業団地は、すでに用地整備が完了し総合管理事務所棟の建設工事が最終段階に入っている。また、一部誘致企業の工場建設準備も始まっており、11月にはドイツとサウジの合弁企業によるレジン袋工場やパレット工場等の建設が開始される見込みだ。現在までの進出契約企業数は10社で、ほとんどが欧州のプラスチック企業となっている。 住友化学では、今後、日本からも多くの化学企業が進出するようになると期待している。これまでに国内で説明会を計3回開催したが、高い関心が寄せられているという。 なお同社は09年早々に自動車用PPコンパウンド工場の建設に着手する計画を進めている。設備規模は年産10,000トンで、2010年3月に完工の予定だ。 |