2008年10月03日
プラ製容器包装のリサイクルが低迷
リサイクル率がさらに低下して6割前後に
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 容器包装リサイクル法に基づくプラスチック製容器包装(白色の発泡スチロール製食品用トレーを除く〓その他プラスチック製容器包装〓)のリサイクル数量が低迷状態に陥っている。
 日本容器包装リサイクル協会が再商品化専門企業に委託して8月中にリサイクルした同容器包装の総数量は29,748トンで、前年同月の実績を8.9%下回った。3ヵ月連続の前年同月割れである。
 
 一方、同協会が全国の市町村から引き取った使用済み(分別収集)同容器包装の8月の総数量は49,191トンであった。前年同月に対して0.9%マイナスとなった。17ヵ月振りの前年同月割れである。軽視できないのは、その総引取り量を総リサイクル量が大幅に下回っている点だ。その開きは19,443トンにも達している。リサイクル率はわずか60.5%である。

 では今年度に入ってからの過去5ヵ月の累計はどうか。総引き取り数量は253,393トンで前年同期を4.5%上回っている。対するリサイクル量は144,966トンで同1.0%減となっている。リサイクル率は57.2%ということになる。過去5年の推移をみると、平成15年度は69.5%、16年度は69.2%、17年度は66.5%、18年度は65.5%、そして19年度は63.6%となっている。年々低下の一途をたどっており、そして今年度はさらに縮小傾向が顕著となっている。

 容器包装リサイクル法は消費者、自治体、国、リサイクル事業者の4者が緊密に連携して家庭系廃棄物を有効利用していくことを大きな目的としている。しかし現実は本来の狙いと大きくかけ離れている。早急に国がその原因を究明して打開策を講じるよう求める声が関係筋に広がっている。