2008年10月09日
エチレンセンターの稼働率、3ヵ月連続の下降
10年前に次ぐ低水準で15ヵ月連続の前年割れ
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 9月の稼働率は前月を0.8ポイント、前年同月を3.7ポイント下回っている。今年ピークの2月の稼働率に対比すると6.9ポイントの縮小となる。わが国全体が深刻なデフレ不況に陥った98年9月の92.0%いらいの低率ということになる。これで月間平均稼働率は15ヵ月連続で前年同月を下回った。
 
 9月の減産率が特に大きくなったのは、各種誘導品の国内需要が住宅投資や一般消費の冷え込み、さらには容器包装の薄肉化の一層の進展や先安観測の広がりによる買い控え等によって一段と縮小してきたのに加え、輸出が中国をはじめとしたアジア各国の需要家の買い控えと輸出価格の下落で大幅に落ち込んできたため。
 
 この結果、7月から9月までのエチレンの総製生産量は前年同期の実績を7.3%下回る173万2,800トンとなった。また、1月から9月までの総生産量は530万3,500トンで前年同期を7.9%下回っている。今年はじめに経済産業省化学課がまとめた今年の総必要量は前年比0.9%減の764万トンだった。現時点ではこの予想を大きく下回っている。
 
 各種誘導品の需要は10月に入っても内外ともに引き続き低調で、関係者の間には10月の生産と出荷量が8月と9月をさらに下回るのは確実との見方が広がっている。こうした中で10月のエチレンプラントの稼働率がどうなるかが注目される。