2008年10月15日
大連化学物理研究所、自社MTO技術の推進のためルーマスと提携
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

中国科学院大連化学物理研究所(DICP、 CAS) は子会社の陝西新興煤化工公司が9月25日にルーマスとの間で、DICPが開発した「大連式メタノールtoオレフィン法」(DMTO:Dalian methanol-to-olefins)の海外展開のための事業協力契約に調印したと発表した。

DICPは既に2006年8月にDMTOのデモンストレーションプラントを完成させている。

2007年初めに国家発展改革委員会(NDRC)が神華集団の内蒙古自治区包頭市の60万トンのDMTO計画を承認、2010年に完成の予定で、最初の商業生産となる。

これは神華集団 76%/上海華誼集団公司 24%の包頭神華石炭化学によるもので、既存のメタノール(180万トン)を原料にオレフィン 60万トン、PE 30万トン、PP 30万トンを建設するもの。

このほか、陝西新興煤化工公司は陝西省楡林の楡横工業園でDMTO技術により、メタノール60万トン、オレフィン20万トン、PE10万トン、PP10万トンの建設を計画している。

DICPはこの技術を中国国内でライセンスするのと並行して、海外市場への展開を積極的に探ってきた。半年の交渉の後、陝西新興煤化工はこのたび、ルーマスとの間でDMTO技術の海外ライセンスの契約を締結した。

陝西新興煤化工はDICP(最大株主)、陝西石炭集団、タイの Chia Tai Group のChia Tai Coal Chemical のJVで、DMTO技術のライセンサー。契約ではルーマスは海外でDMTO技術を開発し、ライセンスする独占権を取得する。

Shanghai ASIACHEM Consulting の専門家は、この戦略的提携は2つの点でDMTO技術の推進のために重要な意味を持つとしている。
第一はDMTO技術の後半部分(オレフィン分離)でルーマスの経験が役に立つ、第二に研究開発主体の陝西新興煤化工にとり、ルーマスとの提携で技術のマーケティングでの経験不足を補うことができる。

石油価格が高水準を保つなか、DMTO技術の推進は経済的、戦略的に重要であり、海外での経験が豊富で影響力のあるルーマスとの提携で海外進出が進むことが期待されている。