2008年10月15日
台湾の新たな国際経済戦略動き出す
中台交流を軸にアジアのビジネスセンターへ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

中台間の双方向資本移動や海・空直行便の開放など「新しい台湾,新しい機会」を展開する台湾は、このほど台北市で開催した経済部主催の「国際ビジネス・アライアンス会議」で具体計画を明らかにした。

同会議には中国大陸(香港、マカオを含む)から490人、台湾国内から400人、米国236人、日本63人、オーストラリア52人のほかドイツ、イギリス、カナダなど合わせて1,300人を超えるビジネスマン、経営者が参加した。

 馬英九新総統、邱正雄・行政院副委員長、江丙坤・海峡交流基金会理事長、伊啓銘・経済部長らがあいさつ、講演する中、粛萬長・副総統が「世界の投資と台湾の新たなビジネス」と題する講演を行った。以下はその要旨。

<粛萬長・副総統の講演要旨>
 台湾はアイランド型経済。困難もあったが、長足の進歩を遂げた。今、新しいビジネスチャンスを迎えている。1994年、経済研の委員長となって世界のトレンドに遅れないようにサイエンスの育成に力を入れた。

 97年には通貨危機に会い、アジア太平洋地域のオペレーションセンターとしての業務に影響を受けた。2000年に民進党が政権をとり、それ以降、8年間にわたって年率4%の成長率にとどまった。

 今、サブプライム問題などで揺れているが国際経済調整などによって、金融危機をのり超えようとしている。グローバリゼーションのなかで台湾は国際貿易の中心地にあるというロケーションや人材の有利性を生かし、東南アジアのハブとして発展させたい。

 台湾は国際的なネットワークを構築、インフラも整備した。今後は交通、水道、環境などをさらに充実させる。人材育成にも50年にわたって力を入れている。イノベーションでは世界でも有名だ。これまでに規制緩和を続けてきたが、これからも広げる。

 55年から中台両岸の関係は緊迫した状況にあったが、今年5月20日から、週末定期便による観光客の受け入れなどが始まった。今後は人民元と台湾円の両替など金融サービスが行われるようになる。中国企業の台湾への投資も進む。外資が心配している政治的リスクをなくす。

 中国の登場をチャンスとして捉えている。両岸の関係の安定化を外資企業に生かしてほしい。現在は最大のターニングポイントにある。台湾は新産業を興す。バイオ、医療などである。