2008年10月17日
SMの生産と出荷、ともに不振が長期化
9月も前年を大幅に下回る
【カテゴリー】:実績/統計(行政/団体、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 日本スチレン工業会が17日に明らかにしたところによると、SM(スチレンモノマー)の9月の生産量と出荷量はともに前年同月を大幅に下回った。
 
 生産は29%減の195,253トンで10ヵ月連続の前年同月割れとなった。「SM各社が内外の需要の縮小傾向を睨んで大幅な減産を実施してきている」(曽根田満・同協会副会長・出光興産取締役)ことによると見られる。
 
 出荷は31%の203,287トンで、9ヵ月連続の前年同月割れとなった。出荷のうちの国内向けは22%減の131,707トンで7ヵ月連続の前年割れとなった。国内向け出荷で前年同月を上回っているのはAS向けの31%増と合成ゴム向けの1%増だけ。「最大需要分野のGP・HI向けが22%もの減少となっているのが国内向けの大幅減の最大の要因」(同副会長)といえる。

 輸出は43%減の71,580トンとなった。9ヵ月連続の前年同月割れである。「最大の輸出先である中国の需要家の多くが先安を予想して買い控えを続けていることと、輸出価格が低水準に張り付いていて採算を確保できないため多くのSMメーカーが契約を絞っていることによる」(同副会長)ものと見られる。
 
 この結果、7〜9月期の実績は生産が前年同期比24%減の698,557トン、出荷が同20%減の734,100トンとなった。出荷のうち国内向けは同15%減の439,845トンで、全ての需要分野が前年同期を下回っている。しかし9月単月同様に、主力のGP・HI向けが19%もの縮小となっているのが大きく響いている。国内以上に落ち込みが大きいのは輸出で、同26%減の294,255トンとなっている。中国向けの大幅減が強く影響している模様。