2008年10月24日
化審法見直し合同委が報告書案まとむ
2010年に向けた新体系の概要を明示
【カテゴリー】:行政/団体(環境/安全)
【関連企業・団体】:なし

 産業構造審議会、厚生科学審議会、中央環境審議会のそれぞれの下部組織で編成する「化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)見直し合同委員会」は23日に合同会合を開いて意見を交わした結果、《2010年に向けた化審法の新体系》と題する政府に対する報告書案をまとめた。これを受けて経済産業、環境、厚生労働の3省では10月下旬〜11月上旬に関係者や一般市民から同案についてのパブリック・コメントを求め、そこで得られた意見も踏まえて最終報告書を取りまとめて国会に同法の改正案を上程する考え。
 
 この日まとめられた報告書案は、化学物質管理の世界的な進展、すなわちWSSD(持続可能な開発に関世界首脳会議)における化学物質管理に関する国際合意やそれに基づく行動指針「SAICM」の制定、さらにはGHS(化学品のハザード情報の分類と表示に関する世界調和システム)やMSDS(ハザード情報を伝達する化学物質等安全データシート)の確立ならびに残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約やREACH(欧州における新たな化学物質規制)の成立等々の大きな流れを念頭に置いて化審法を見直して、「2020年に向けた戦略的な対応として化審法の新体系を確立することが大切」との結論をまとめたもの。
 
 化審法の見直しに当たっては、「WSSDの目標、すなわち予防的取組みに留意しつつ科学的なリスク評価に基づき、リスクの程度に応じて製造・使用の規制やリスク管理措置や情報伝達等を行うことを基本に、2020年までに、わが国で化学工業品として製造・輸入または使用されている化学物質のリスクを評価し、リスクの程度に応じた管理の実現を目指すべきである」と指摘している。
 そして新たな化審法の具体的な制度体系にとしては
 (1)化学物質の上市後の状況を踏まえたリスク評価体系の構築
 (2)リスクの観点を踏まえた新規化学物質事前審査制度の高度化
 (3)厳格なリスク管理措置等対象となる化学物質の厳格な管理措置の継続と製造・輸入の制限等リスク軽減措置の実施
 の3点に特に留意していくことが重要と強調している。
 
 (1)項に関しては「化学物質の上市後のばく露状況を把握する仕組みの構築」「リスク評価の実施における優先順位等の判断」「リスク評価の実施と情報収集への事業者の協力」「上市後のリスク評価における環境中への残留性の考慮」「適切なリスク評価のための手法の充実及び情報提供・伝達」といったことが重要課題と述べている。
 また(2)項については、「事前審査におけるリスク評価の実態」「審査済み化学物質の名称の公表のあり方」「QSAR(化学物質の構造上の特徴又は物理化学定数と生物学的活性の相関関係を定量的に示すモデル)やカテゴリーアプローチの活用」「少量であることによりリスク懸念が低いと考えられる新規化学物質の事前審査」「低懸念ポリマーの確認制度の創設」等が重要な検討テーマと指摘している。
 (3)項では「第1種特定化学物質に関する国際整合性の確保」「第1種監視化学物質に関する情報提供の強化」「リスクが高いと懸念される化学物質に関するリスク低減措置」が課題だとしている。