| 2008年10月31日 |
| 中国の石化品輸入、9月はさらに縮小 |
| ほとんどの製品が前年を下回る |
| 【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:なし |
中国による主要石油化学製品の輸入の縮小傾向が一段と鮮明になってきた。9月の輸入数量で前年同月を上回っているのはHDPEとEGの2品目だけ。しかも、うちHDPEの伸び率は0.02%にすぎない。 石化品のうちの汎用樹脂の場合は、8月と9月の2ヵ月連続して合計9品目のうち8品目が前年同月の実績を下回る事態となっている。縮小率も全体に大きい。1〜9月の累計も同じく9品目のうち8品目が前年同期を下回っている。 一方の化成品は、8月までは前年同月を上回る品目が複数存在していた。しかし9月はオレフィンを含む合計11品目のうち10品目が前年割れに陥っている。縮小率は全体に汎用樹脂以上に大きい。ただし、1〜9月の累計は11品目のうちオレフィンを含む5品目が前年同期を上回っており、この点は汎用樹脂と様相が異なる。 しかし複数の大手商社によると、10月に入ってからは中国による樹脂の引き合いがさらに減少するとともに化成品も商談が激減してきたという。中国市場における製造企業と金融機関の間、あるいは金融機関同士の間の信用不安の輪の急速な広がりによって事業の大幅な縮小や撤退に踏み切る製造業が相次いでいることが最大の要因と見られている。また、原燃料の先安を見込んでの買い控えも影響している模様。 ともあれ、これによって、対中輸出依存度が高いわが国の石油化学企業は一段と厳しい局面に立たされつつあり、エチレンの減産のさらなる強化が急務となりそう。 中国による主要石油化学誘導品の9月の輸入通関数量は以下の通り。右は1〜9月の累計。かっこ内は前年比。 ▽LDPE=51,859トン(91.1%) 548,181トン(92.3%) ▽L-LDPE=103,822トン(83.0%) 1,123,346トン(85.6%) ▽HDPE=155,025トン(100.0%) 1,765,955トン(111.4%) ▽PP=245,042トン(97.5%) 2,090,602トン(89.8%) ▽PVC=165,637トン(83.6%) 1,564,541トン(96.5%) ▽SM=218,482トン(66.0%) 2,139,173トン(94.0%) ▽EG=452,738トン(110.4%) 4,035,016トン(107.8%) ▽VCM=54,678トン(79.6%) 634,471トン(92.3%) ▽TPA=540,490トン(81.4%) 4,449,297トン(80.9%) ▽BPA=34,827トン(71.2%) 349,047トン(106.2%) ▽AN=18,709トン(70.0%) 234,062トン(68.3%) |