2001年05月16日
信越化学の米国子会社シンテック業績“絶好調”
ルイジアナの第2期プラントは今年末完成
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:信越化学工業、シンテック

 信越化学工業は16日、売上高、利益とも前期を大幅に上回り、過去最高となる2001年3月期決算を発表したが、米国塩ビ子会社シンテックも業績は好調で、2000年12月期最高益を確保した。
 同社の業績は売上高1,227億円、経常利益186億円、当期利益125億円、純資産1,333億円、総資産1,546億円と発表。この理由として2000年5月まで米国の塩ビ需要が極めて強かったことをあげている。
 シンテックは信越化学の100%子会社で現在テキサス州に年産145万トンのほか、第2工場のルイジアナ州に第1期分30万トン、合わせて175万トンのPVC(塩化ビニル樹脂)製造工場をもっている。需要好調のためルイジアナ工場では引き続き第2期年産29万トンの建設に入っており、今年末完成の予定だ。
 金川千尋信越化学社長によると、「米国経済は昨年6月から調整局面に入り、PVCの市況は急軟化した。同業他社は減産したが、シンテックは輸出に注力し、フル操業フル販売を続けたのが好決算につながった」という。ただ米国のPVC市況は2000年ピーク時のポンド当たり42セントから急下降し、2001年1月は33.5セント、2~3月もそれぞれ1.5セントずつ下がった。このため、シンテックは4月に2セントの値上げを発表したが不調に終わっており、現在5月に1セント、6月にも1セント値上げする方向で交渉中という。
 金川社長は「米国では原料や電力の値上がりもあり、しばらく苦しい状況が続くが、長期的には世界需要は毎年3~5%ずつ伸びている。ルイジアナの第2プラントもいずれ威力を発揮するようになる」と、先行きに自信をみせた。